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クレームに発展しかねないバイト敬語2023年1月30日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、接客の意外な落とし穴である「クレームに発展しかねないバイト敬語」です。

その敬語、本当に正しい?

たくさんの辞書

クレーム対応においては、正しい敬語を使用するのが鉄則。「かしこまりました」「失礼いたします」「申し訳ございません」といった接客8大用語をベースに、丁寧な言葉遣いでお客様と向き合う必要があります。ところが、丁寧さを意識するあまりかえって不自然な言葉遣いになっている、なんてことも。それが「バイト敬語」です。
 
バイト敬語とは、主にコンビニやファミレスなどの接客現場でよく耳にする独特の言葉遣いのこと。一聴すると丁寧に聞こえるものの、よくよく考えると日本語として意味がおかしかったり、敬語になっていなかったりする言い回しを指します。間違った言葉遣いは、お客様を不快にさせてしまうのはもちろん、クレームの標的にもなりやすいので、気をつけたいところ。あなたも職場でも無意識にバイト敬語を使っていませんか? 改めて確認しましょう。
 
クレームに発展しかねないバイト敬語
クレームに発展しかねないバイト敬語の主な例として、以下のようなものがあります。
 

「~でよろしかったですか」

注文や要望などを改めて確認する際によく使われるバイト敬語です。「よろしかった」という言い回しは、過去形の表現なので不適切ですし、人によってはどこか押しつけがましい印象を受けるかもしれません。この場合は「〜でよろしいでしょうか」が正解です。
 

「~のほう」

こちらも確認の際によく使われるバイト敬語で、「~のほうでよろしいでしょうか?」などのかたちで用いられます。選択肢がある時はもちろん、そうでない場合でも意味なく使われがちな言い回しですが、お客様にかける言葉としては失礼。「こちらでよろしいでしょうか」とシンプルに伝えましょう。
 

「~になります」

商品を渡す時や会計の際によく使われるバイト敬語です。「〜です」と同等の意味合いで用いがちですが、「~になります=AがBに変化する」という意味なので、表現としては間違っています。この場合は「〜でございます」が正しい表現です。
 

「~円からお預かりします」

こちらも会計の場面でよく使われるバイト敬語です。本来「~から」は、「○○から△△まで」といった一定の距離・幅を表す際に用いる表現。そのため、会計の場面で使用するのは不適切です。また言葉としても違和感があるので、お客様から指摘されやすい言葉でもあります。この場合は「〜円お預かりします」が正しい表現です。
 
ちなみに、お釣りが出ない会計の場合は「お預かりします」が間違いになります。「〜円ちょうど頂戴いたします」などと言うようにしましょう。
 

「なるほどですね」

相づちを打つ際によく使われるバイト敬語です。「なるほど」と「そうなんですね」を掛け合わせた不自然な言葉であり、敬語にもなっていません。またどこか軽薄な印象があり、人によっては癇に障る人もいるでしょう。この場合は「はい」「おっしゃる通りです」で十分です。
 

「たかが言葉遣い」と、侮ることなかれ

他にも「並んでお待ちください」のような命令形の表現は、クレームにつながりやすいので注意が必要です。人によっては上から目線だと受け取る人もいるため、「順番に並んでお待ちいただけますか?」など、語尾を疑問形にして表現を和らげるのも、クレームを回避するテクニックの一つです。
 
見た目や表情、仕草、声のトーンなど、クレーム対応には気をつけるべきことがたくさんありますが、言葉遣いも非常に大切です。たかが言葉遣い、されど言葉遣い。現場のスタッフが正しい日本語で対応できるよう、丁寧な指導を心がけましょう。また、言葉は日々変化するもの。時代によって意味合いや受け手の印象が変わる場合もあるので、定期的なアップデートが必要です。

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