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File2-3:繰り返される執拗な要求には「ギブアップトーク」が効果的!2025年6月9日

どんなお仕事でも、想定外の苦情・クレームがあるものです。その中でも働くみなさんの現場で頭を悩ませるのは、顧客による嫌がらせ行為。この連載では、みなさんから当相談室に寄せられた様々な「カスハラエピソード」を紹介し、顧客からの不当な要求に対する「毅然と」かつ「丁寧な」適切な対応を身に付けていくための対処方法をお伝えしていきます。
 
今回ご紹介するカスハラ事例は、【「写真が気に入らない!」ワガママ放題の新婚カップル】アドバイス編です。

大杉毅が対応のポイントを解説

大杉毅(50)

こんにちは、カスタマーサービスのお悩み相談室の大杉毅(50)です。今回のケースのように、「センスがない」といった根拠の曖昧な非難を繰り返し、再撮影の無料提供という過剰な要求をする行為は立派なカスハラです。
 
それでは、この事例に学ぶ適切な対処法を、Q&Aにてお答えしましょう。

リピート型や暴言型の
カスハラ行為への対応に関する疑問に回答!

どの程度まで現場で判断・対応すればよいのでしょうか?

トラブルを長引かせないためにも、組織で対応しましょう

今回の事例からわかるように、困難なお客様とのトラブルが発生した場合は、上司や本部に速やかに報告すべきです。できるだけ現場で対処したいという気持ちもあるかと思いますが、リピート型のカスハラ客はスタッフの精神的負担も大きいもの。トラブル発生当初と比べて問題が大きくなった場合は、一人で悩まず、組織で対応するのがベストです。
 
企業のトップがカスタマ―ハラスメント対策への取組みの基本方針・基本姿勢を示し、従業員への周知・啓発・教育を行いましょう。また、同一人物が他店舗などで同じようなトラブルを起こす可能性がある場合には、関係部署で情報共有を行い、対応を統一するようにしましょう。
 

要求に応えるまで終わらない会話。切り上げるタイミングが分かりません。

執拗な要求には「ギブアップ・トーク」が効果的です

対応をお断わりしても、理不尽な要求が続き、おやめになっていただけない場合は、2回目で注意、3回目で「対応できない」「自分ひとりでは判断できない」旨をお伝えし、お客様からのお申し出に対しては、否定も肯定もせず距離をとり、執拗な攻撃を受け流すことができる現場の体制を整えておき、「私の対応はここまで」と降参宣言してしまいましょう。これは、ギブアップ・トークと呼ばれる会話のテクニックで、効果的な対策です。
 

目にあまる暴言。スタッフの疲弊が心配です……

クレームが続くようなら警察や弁護士へ相談を

カスタマーハラスメント対応においては、企業や現場のスタッフを守る危機管理対応の視点を持ち、迷惑行為を続ける顧客に組織的な対応を続けても暴言がエスカレートし、業務に支障がでるほど脅迫的な行為を続けるようであれば、威力業務妨害罪(刑法234条)の罪に問われることを念頭におく必要があります。
 
また、理不尽な要求が繰り返される場合には、弁護士へ法的アドバイスの協力を検討することをおすすめします。

いざというときに備えて記録をとっておくことが大切

カスタマ―ハラスメントに該当するような迷惑行為を続ける客に、「いまからそっちへ行く!」などといった恫喝や脅迫まがいの発言があるような場合、来店され「攻撃」があった場合の万が一に備え、施設所轄地域の警察(生活安全課)へ今後の対応をご相談なさっておくこともおすすめします。
 
法的措置を取る場合は、動かぬ証拠が必要になります。防犯カメラを設置したり、録音用のICレコーダ―を準備したりと対策をしておきましょう。危機管理として記録を残す習慣を付けておくと良いです。
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を基に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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