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ラポール形成のテクニック2020年5月20日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは円滑なコミュニケーションへと導く「ラポール形成のテクニック」です。

人の心をつかむコミュニケーションの取り方とは?

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苦情・クレーム対応の現場では、ほどんどの場合、担当者とお客様は初対面だと思います。そんな、はじめての相手であってもスムーズなコミュニケーションを行うためのスキルがラポール形成のテクニックです。ラポールとは、臨床心理学の用語でセラピストとクライアントの間でお互いを信頼し、安心して交流できる関係が成立している心の状態のことを言います。お客様との間に「ラポール」を築くことは、お客様の警戒心を取り除き、安心して話をしていただくことにつながります。言うなればお客様と最速で信頼関係を築くためのテクニックです。

ラポール形成の順序としては

①相手をよく観察する(キャリブレーション)
②相手のペースに合わせる(ペーシング)
③目的に合わせて相手を導く(リーディング)

です。①②でしっかりと信頼関係を築き、相手と自分との距離感を縮め、安心感や好感を生み出してから、こちらからの質問や提案などといったその次のステップ③へとつなげていきます。顧客対応においては、まずはお客様のお話をお客様のペースに合わせてお伺いするというのがポイントです。以下にご紹介するラポール形成のテクニックでは、言葉にせずともしっかりと話を聞いていることを伝えることができます。
 

キャリブレーション

相手の態度、表情、声、話すスピードなどをよく観察すること
コミュニケーションにおいて人はすべてを言語化してはいません。トーンや顔色など、言葉では現れないわずかな変化から相手の気持ちを読み取ることができれば、相手は信頼感を抱きやすくなります。

また人は五感(聴覚 / 視覚 / 嗅覚 / 味覚 / 触覚)によってこの世界の事象を理解しています。どの感覚を優位に使っているかは人によって異なるため、各自の特徴に合わせてあげるとスムーズな対話が望めます。NLP脳科学では「VAKモデル」といい、次の3つのタイプに分類することができます。相手がどのタイプなのか落ち着いて観察してみましょう。
 

V(Visual)/視覚系タイプ ・視線が上方に働く
・イメージ重視
・早口で話す
図やイラストを活用すると効果的
A(Auditory)/聴覚系タイプ ・視線が左右に働く
・論理重視
・落ち着いて話す
論理的に解説すると効果的
K(Kinesthetic)/身体感覚タイプ ・視線が下方に働く
・感覚重視
・ゆっくり話す
順を追って1つずつ進めるのが効果的

 

ペーシング

相手の話し方やリズムに合わせること
例えば相手がゆっくり話す方ならこちらもゆっくりと話したり、相手が早口ならこちらも早口で話したり、と会話のリズムそのものを相手のペースに合わせます。会話のテンポが同じ人には親近感を持つため、話がしやすくなります。
 

バックトラッキング

相手の発言をそっくりそのまま繰り返すこと
リフレクティングとも言い、相手と同じ言葉を使うことで共感を表現できます。

ミラーリング

相手のしぐさや姿勢を鏡のように合わせること
無意識的にこちらが相手と似た存在であることを伝えられます。

マッチング

声の出し方や話し方などの主に聴覚情報に合わせること
相手の無意識のクセを取り入れることで親近感をアップさせます。

 

リーディング

目的に向けて会話をリードする(導く)こと
苦情・クレーム対応であればお客様のお申し出を解決することが目的です。丁寧にお話しを伺ったのちに、個々に合った最適な改善策をご提案・ご案内します。もしこのときお客様と信頼関係ができていれば、スムーズに聞き入れてもらうことができるでしょう。
 

円滑なコミュニケーションの第一歩は相手に心を開くこと

誰もが経験したことがあると思いますが、少しでも会話に違和感や嫌悪感を抱いてしまった相手の話は、その内容がいかに良いものであってもすんなりとは受け入れがたいものです。そういった事態に陥らないためにも好感を持ってもらいやすいコミュニケーションスキルを身につけましょう。

もちろんこれらのテクニックは過信しすぎると逆効果になってしまうこともあるので取り扱いには注意が必要ですが、心理学的に人間のコミュニケーションのパターンとして存在するということは知識として持っておくと役に立ちます。大切なポイントはこちらから心を開くこと。オープンマインドな人には本音で話してくれるものです。

 

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