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聞き上手な人が使っているテクニック2023年2月20日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、積極的に取り入れたい「聞き上手な人が使っているテクニック」です。

カスタマーサービスに欠かせない「聴く力」

聞くのが不得意な人と得な人の頭の中

コミュニケーション能力について、「話し上手」「聞き上手」といった言葉がありますが、場面によって求められる能力は異なります。特にクレーム対応の現場においては、じっくりと相手の話に耳を傾け、その根底にある本音を引き出す「聴く力」が重視されるので、「聞き上手」であることが好ましいでしょう。
 
聞き上手になることで、スムーズな対話を促すのはもちろん、相手との相互理解を深めることもできます。対話を通じて相手の要望を汲み取り、的確に対応することで信頼を獲得することが、カスタマーサービスの本質。では聞き上手と言われる人たちは、普段どのようなテクニックを取り入れているのでしょうか?
 
聞き上手な人が使っているテクニック
聞き上手な人が使っているテクニックの主な例として、以下のようなものがあります。
 

アクティブリスニング

相づちやクッション言葉、質問などを積極的に織り交ぜることで会話を促進し、コミュニケーションを活発化するテクニックです。ポイントは相手の立場に立って話を聴くこと。不平・不満や怒りの感情を否定するのではなく、自分のこととして受け止める姿勢を示すことで、信頼関係を築くことができます。
 

ミラーリング

相手のしぐさや姿勢に同調し、鏡のように合わせていくテクニックです。人は無意識に自分と似た相手に対して、安心感や親近感を覚えるもの。頷いたり飲み物を手に取ったりする際、自然なタイミングで動作を合わせることにより、気持ちを通わせる効果が期待できます。
 

リフレクティング/バックトラッキング/オウム返し

相手の発言を繰り返すことにより、安心感を与えるテクニックです。例えば「注文してから1週間経ったのに商品が届かない!」という問い合わせに、「1週間も経っているとのこと、誠に申し訳ございません」などと答えるイメージです。そうすることで、共感性や理解の深度を示すことができ、心を開いてもらえる効果があります。
 

Yes, but法

相手に不快感を与えることなく、自分の意見を伝えるテクニックです。いくら自分の意見が正当であっても、相手の意見を頭ごなしに否定すると、大きな反発を買ってしまいます。検討のテーブルに乗せてもらうためにも、まずは相手の意見を肯定し受け止めた上で、自分の意見を提示するのが◎。交渉や説得の場面で主に用いられるテクニックです。
 

インタビュー効果

会話中に目の前でメモを取ることで、相手に気持ちよく話してもらうテクニックです。「この人は熱心に話を聞いてくれている」という印象を与えることができる他、「もっとしっかり話さなければ」という気持ちにさせる効果もあるので、問題点を整理しやすいというメリットもあります。
 

巧みなテクニックで「聞き上手」のスキルを高めよう

このほかにも、人は相手の身振りや手振り、顔の表情、目線といった、言葉以外の部分からさまざまな情報を読み取っています。これらは「ノンバーバルコミュニケーション」と言われ、服装や髪型、姿勢、声のトーン、話すスピードなどに配慮することも、聞き上手に欠かせないテクニックのひとつです。

クレームから学ぶこともたくさんありますが、お客様の一方的な不満や文句であることも少なくありません。その場合、イライラをすっかり吐き出してしまえば、大抵の怒りは収まります。そういう意味では、お客様の話に真摯に耳を傾け、さまざまな感情を受け止めることも、クレーム対応の役割のひとつ。今回ご紹介したテクニックを自然なかたちで取り入れながら、「聞き上手」としてのスキルを高めましょう。

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