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苦情・クレーム電話の正しいクロージング2024年7月29日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、見落としがちなポイントのひとつである「苦情・クレーム電話の正しいクロージング」です。

苦情・クレーム電話は「クロージング」が肝心

苦情・クレーム電話の応対には、苦情内容の明確化や事実確認など、さまざまなフェーズがあります。中でもとりわけ注意したいのは、通話を終える最終段階、つまり「クロージング」のフェーズです。それまでの応対がどれだけスムーズに進んでいても、クロージングに失敗すれば台無しとなる可能性があります。
 
前提として、電話をかけてくるお客様の多くは、その企業の製品への購買意欲が高く、サービスの改善や適切な対応を求めています。そのため企業側は、時間をかけてお客様の申し出内容を傾聴し、問題があれば誠心誠意謝罪をした上で、丁寧な説明のもと適切な提案を行い、ご理解をいただく必要があります。
 
このように信頼関係を構築したにもかかわらず、クロージングでお客様に悪い印象を持たれる言動をしたらどうでしょう。お客様の不快な思いやお怒りが再燃するリスクがあるばかりでなく、今後リピーターになっていただける可能性も失いかねないのです。クロージングでは最後まで気を抜くことなく、ポイントを意識した丁寧な対応を心掛けましょう。
 
クロージングでは、大きく以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。実践で使える代表的なフレーズも合わせてご紹介します。
 

ポイント1:「確認」でお客様に寄り添う

これまでの応対を振り返り、分からないことや納得のいかないこと、伝え足りていなかったご不満などがないかを確認します。一方的な会話とならぬよう、お客様に丁寧に寄り添うことが、信頼の獲得につながります。
 
・「これまでの回答でご不明な点はございますか」
・「そのほか、ご要望がありましたらお申し付けください」 
・「そのほか、何かお気付きの点などはございませんでしょうか?」など
 

ポイント2:「名乗り」で誠実な印象を与える

会話の最後に担当者の氏名などを伝えると、お客様にしっかり向き合っている姿勢が伝わりやすいです。聞かれずとも自ら進んで名乗ることで、誠実かつ真摯な印象を与えられます。
 
・「○○(担当者の氏名)が承りました」
・「今後も○○(企業名)をよろしくお願いいたします」 など
 

ポイント3:改めて「お詫び」と反省の気持ち伝える

改めてお詫びの言葉と、お客様の気持ちを第一に今後改めたいという反省の気持ちを伝えることも大切です。表面的なものに感じることがないよう、丁寧にお伝えすることを意識しましょう。
 
・「このようなお電話をいただくことになり、誠に申し訳ございませんでした。」
・「今後このようなことが繰り返されないよう、十分注意いたします。」 など
 
適切なお詫びの言葉と反省の気持ちがお客様に伝わったことで、お怒りの気持ちも和らぎ、改善をしてもらえるという期待による感情の変化が起こった状態を確認するようにします。このとき、急いでクロージングしようとしないことがポイントです。
 

ポイント4:「感謝」で謙虚な姿勢を示す

最後に感謝の気持ちを伝える言葉を付け加えることで、謙虚な姿勢を示すことができます。また、話を聞いて欲しい、自分の考えを理解して欲しいといった、お客様の承認欲求を満たす効果も期待できます。
 
・「お忙しい中、お電話をいただきありがとうございました。」
・「貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。」など
 

「確認」「名乗り」「感謝」を押さえましょう

これらのポイントを押さえることで、クロージングの精度がグッと上がります。特に決まった順番などはなく、いずれかのみでも構いません。フレーズを組み合わせるなど自分なりのアレンジを加えながら、穏やかな雰囲気で通話を終えるよう工夫しましょう。
 
表情が見えない電話でのやり取りは、言葉による悪印象を与えないことが最低限の鉄則です。その上で、いかにスムーズに通話を終えられるかは、担当者の技量にかかっています。職場全体でルールを設定するほか、良かった話法をスクリプト化して共有するなど、日頃から十分な対策を講じながら、組織全体のスキル向上を目指しましょう。
 

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