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Case9:本来食品の返品は不可だが状況によっては返品交換がスムーズな場合もある2021年1月18日
今回ご紹介するのは、いつも穏やかな笑顔で事案を解決へと導く増山利伸(55)が担当した【食品販売業における対応不備クレーム】模範対応編です。
ルール通り対応することが正解でないこともある
こんにちは、増山です。
前回に引き続き、食品販売における返品交換について考えていきましょう。催事場に出店する焼き菓子のアトリエ・アリスは、ラッピングがほどけていたことを理由に商品の返品交換に応じるべきでしょうか? 大原則として食品の返品交換には応じないというのが業界のルールとして存在します。
クレーム内容
- ◆プレゼント用に買った商品の包装紙とリボンが緩んでいたので交換してほしい
まずはお客様対して真摯にお詫し、できうる改善案として再ラッピングをご提案するもお断りされてしまいます。通常であれば、そのまま毅然とお断りを続け、ご納得いただくところですが、もろもろの状況やお客様の立場を考えると、交換してほしいというのも理解できます。
どうでした、交換していただけますか?
お時間いただき、ありがとうございます。ご不便おかけしており、誠に申し訳ございません。社内はもちろん本イベントの主催者側とも相談させていただき、商品の交換で対応させていただくことにいたします。
食品については他社メーカーと同様に、従来であれば返品は原則としてお断りさせていただいておりますが、今回の商品に限っては、季節的な催事向けの商品であることや、贈答品としてのご購入であることを考慮し、対応させていただきます。こういったケースの場合は今後も交換対応を行うこととしました。
安心しました。ご対応ありがとうございます。
お忙しい中、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。白石さまのご指摘のおかげで、見直すきっかけをいただき、サービスをの向上を図れました。感謝いたします。
これまで通り、毎回包装やリボンの掛け直しを行うこともできますが、特別に交換対応を行うこととするほうが現場の混乱もなく、多忙な時期のお客様対応への負担も減るのではとの意見があったとのこと。
ハイブランドとして認識される企業であり、ブランドイメージを守るというメリットを考慮し、同様な場合は対応マニュアルを変更し、交換とすることを決定したそうです。交換によるデメリットと現場の負担軽減とのバランスを考えた判断と言えます。
結果としてルールを変更することになりましたが、お客様は対応に大変満足されてお帰りになられたそうです。いつもルールが正しいとは限らないのが接客。臨機応変な対応が功を奏すときもあります。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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……など
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