ホーム › 連載・コラム › Case3:過剰なサービスの要求は毅然とお断りすることも必要
Case3:過剰なサービスの要求は毅然とお断りすることも必要2017年10月23日
今回ご紹介するのは、いつも冷静沈着な室内随一の頭脳派である青山健一(47)が担当した【サービス業における過剰要求クレーム】回答編です。
要求がサービスの範疇なのかはっきり判断すべき
こんにちは、青山です。
前回に引き続き、サービス業における過剰要求クレームの対応について解説したいと思います。佐々木博さん(57)が営む町の小さな鍼灸院に来院されるおしゃべり好きのお客様・茅ヶ崎京子さん(49)の対応事例です。
クレーム内容
- ◆施術にまつわるカウンセリング時間に制限はないはず
- ◆患者の不安を取り除くのもサービスとして当たり前
治療を受ける患者の立場から言えば、十分に納得するまで説明を聞きたいというのは理解できます。しかし毎回施術時間を大幅に超過してしまうような状況であれば、過剰な要求と判断せざるをえません。
OluOluハリ灸院は時間に応じてサービスを提供しています。その基準を大幅にオーバーするようであれば、本来はそれに見合った長い時間のコースを選択していただくのが妥当だと考えられます。この鍼灸院としてどこまで対応するかの方針をしっかりと決めて、その方針に基づいてお客様にしっかりとご説明することが大切とアドバイスさせていただきました。
先日はご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。施術のお時間につきましては、次の予約が控えていない時間帯であれば、可能な限りお付き合いさせていただきますが、次のお客様がお控えになっている場合は、あらかじめ終了予定時間に間に合うように、施術を始めさせていただけませんでしょうか?
カウンセリングに時間がかかったら施術時間は短くなるっていうの?
ご説明不足で申し訳ありません。お客様からのご要望に極力、添いたいという気持ちからこれまで対応して参りましたが、もともとはカウンセリングと施術の時間を合わせて、30分コースとさせていただいているサービスでございます。他のお客様と同じようにご利用いただけますようお願いいたします。長時間のカウンセリングをご希望されるようであれば、それを踏まえたコースをお選びいただけますので、今後はそちらをご利用いただけますようよろしくお願いいたします。
話を少しくらい聞いてくれていいと思うけど……。もういいわ、早く始めてちょうだい。施術時間がなくなったら困るわ。腕はいいのに……サービスが(ブツブツ)……。
ご理解いただきましてありがとうございます。次の予約が控えていない場合など、状況が許す限りは対応させていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
鍼灸院として方針
- ◆状況に応じて可能な限りはお話にお付き合いするという妥協点を交渉する
→次のご予約が控えている場合は終了予定時間に間に合うように施術を進めさせていただく
◆お客様の要望に見合った時間の長いコースをご検討いただくよう提案する
→カウンセリングに大幅な時間を必要とする際は、時間の長いコースをご利用いただく
OluOluハリ灸院の事例の場合、30分コースしか頼まないのにも関わらず結果として対応に1時間近くかかってしまう茅ヶ崎さんの要求を受け入れるということは、例えば30分コースの料金が3,000円、60分コースの料金が6,000円とすると、常に半額でサービスを提供しているという考えもできます。そうすると他のお客様から見るととても不公平な状況ではないでしょうか。
院としてのしっかりとした運営方針を院長から直々に説明を受けたことで、最終的にはしぶしぶながらこ納得いただき、解決にいたりました。引き続き、30分コースをご利用いただいているものの、超過は10分程度に抑えられるようになったそうです。今回のケースのような過剰なサービスの要求にはしっかりと店舗側の方針を示してあげることが効果的です。
選任担当者がおらず十分な対応ができていない
難易度の高いクレームが増えてきて困っている
スタッフによるスキル差が目立ちはじめた
……など
苦情・クレーム対応のことならお気軽にご相談ください。
※「クレームナビ」を見たとお伝えいただくとスムーズです。