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Case8:食品に異物が混入するタイミングは製造過程とは限らない2018年3月19日
今回ご紹介するのは、いつも穏やかな笑顔で事案を解決へと導く増山利伸(55)が担当した【製菓メーカーにおける異物混入クレーム】回答編です。
寄せられた苦情・クレームが勘違いということもあり得る
こんにちは、増山です。
前回に引き続き、製菓メーカーで起こった食品の異物混入クレームの事例を解説してまいりましょう。ブルージュ製菓でカスタマーサービスを担当する杉山麻美さん(32)からご相談いただいたこちらのケース。お電話いただいた段階ではチョコレートから発見されたとされる金属片が何なのかはわかっていませんでした。
クレーム内容
- ◆購入したチョコレートの中から金属片が見つかった
- ◆危険なので調査した方が良いのではないかと思い一報を入れた
マニュアル通り、現物を回収させていただき、金属片が何かを調査した上で、製造ライン等の調査する旨をお伝えしたところで電話を終えています。まずは事実確認と原因究明をとアドバイスさせていただきました。しかし社内にて現物を回収するための訪問手配などをはじめとする対策を行う中、思わぬ事実が発覚することになります。
・・・(数日後、お電話にて)・・・
先日、チョコレートに金属片が入っていたとご連絡した石川です。
石川様、ご連絡ありがとうございます。
先日のお電話で“歯科にかかってないか”とおっしゃっられていたのが気になって、かかりつけの歯科に電話で確認すると、前回受診してからだいぶ期間が空いているので詰め物が劣化して取れた可能性があると言われまして……。お話した金属片はそれなのかなと。ブルージュのチョコレートから出てきたって勘違いしたみたいですみません。
そうでしたか。お怪我につながってはいけませんので、金属片をお持ちになって歯科を受診されることをお勧めいたします。
本当に今回はお騒がせしてしまって申し訳ありません。ご丁寧に対応いただきありがとうございました。
いえ、こちらこそ。原因が判明してホッといたしました。ご連絡いただきありがとうございました。
異物混入と言えば、まず疑いがかかるのが「製造過程」。工場で万全の体制を取っていたとしても、その一報を受けた瞬間は、製造中のどこかのタイミングでなんらかの理由により異物が入ったのではないかと考えるのが通常です。しかし、異物が混入するタイミングは製造過程に限ったことではありません。食品は製造だけでなく、調理や盛り付けなど、さまざまな行程を経て、私たちの口に運ばれます。そのため、どこで混入したかは、先入観を持たずに事実だけを見て判断する必要があるのです。今回のケースはお客様の勘違いということで大事にはいたらず、無事解決したそうです。
選任担当者がおらず十分な対応ができていない
難易度の高いクレームが増えてきて困っている
スタッフによるスキル差が目立ちはじめた
……など
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