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Case20:オペレーターに「客の話に付き合え!」というクレームにはどう対処すべきか?2023年10月16日

お客様を相手にした商売にカスタマーサービスは必要不可欠。この連載では顧客対応に関する“アレコレ”を「カスタマーサービスのお悩み相談室」の個性豊かな面々が解説していきます。

今回ご紹介するのは、メンタルケア心理士の資格も持つ西宮ゆり子(38)が担当した【大手通信販売業における過剰要求クレーム】トラブル発生編です。

コールセンターで世間話をする、常連の迷惑カスタマー

西宮ゆり子(38)

こんにちは、久しぶりにお目にかかります、西宮でございます。

今回は、健康グッズを扱う大手通信販売会社「ライフネスト商会」のコールセンターで起こった事例を紹介したいと思います。ご相談者は、オペレーター歴5ヶ月の新人、小原美蘭さん(23)。毎日さまざまな利用者様に向き合う中で、かねてから対応に困っていた常連のお客様がいたそうです。その方は、商品に関する質問からいつの間にか世間話をはじめてしまい、なかなか終話させてもらえないのだとか。そんな中、とうとう問題が発生してしまいます。

客の話を聞くのが、お前たちの仕事だろうが!!

そう言って電話の向こうで怒鳴っているのは、同社のサービスを頻繁に利用している市浦一夫さん(76)。はじめこそ商品についての質問でしたが、いつしか話は脱線。通話を終えようとする小原さんに対してお説教を始めたそうで…。


ichiura
市浦一夫

この『温泉の素』っていうのは、送料はどうなってるの?

hashidate
小原美蘭

5000円以上のお買い上げですと、全国一律で無料となります。

ichiura
市浦一夫

あぁそう。そういえば以前、温泉に行った時にこんなことがあって…。

hashidate
小原美蘭

左様でございましたか、市浦様。商品について他にご質問はありますでしょうか?

ichiura
市浦一夫

まぁいいから、聞きなさいよ。(以下、商品に関係ない会話が延々と続く)

hashidate
小原美蘭

申し訳ありません、大変お伝えしにくいのですが、ご質問がないようでしたら通話を終え…。

ichiura
市浦一夫

おい、何だその言い草は。こっちは客だぞ! 客の話を聞くのがあんたらの仕事だろうが!!

hashidate
小原美蘭

大変申し訳ございません、担当を変わりますので少々お待ちください…。


「商品に関係ない世間話で通話を切らせてもらえない」という問題は、多くのオペレーターが頭を悩ませているかと思います。ましてや入電が増えるピーク時に重なってしまうと、他のお客様対応にも大きな影響を及ぼしかねません。
 
今回は市浦さんが一方的に怒鳴り声を上げたことで問題化しましたが、普段から何か理由をつけてはサービスに関係のない会話を続けていたとのこと。クレームや迷惑行為とみなす決定的な行動がない場合、企業側も対処が難しいですよね。こうしたケースの場合、どのように対応したら良いのでしょうか? ぜひ一緒に考えてみてくださいね。
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を元に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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