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Case7:言いがかりの可能性があるお申し出にはどう対処すべきか?2020年11月23日

お客様を相手にした商売にカスタマーサービスは必要不可欠。この連載では顧客対応に関する“アレコレ”を「カスタマーサービスのお悩み相談室」の個性豊かな面々が解説していきます。

今回ご紹介するのは、いつも冷静沈着な室内随一の頭脳派である青山健一(47)が担当した【製造業における修理対応不備クレーム】トラブル発生編です。

手渡しでない限り、事実かどうかは誰にも判断できない

青山健一(47)

こんにちは、青山です。

今回はデジタル備品を製造・販売するデジキッドの修理センターで起こった事例をご紹介しましょう。オペレーターとしてお客様対応に従事する有村優希さん(37)が、修理センターにてお預かりしたUSB充電器の検証結果をお電話にてご案内したところクレームに発展してしまったとのこと。

確かに送ったんだから届いていないわけないだろ! 嘘つき呼ばわりしないでもらいたい!!

と激しく反発しているのは修理を依頼してきたユーザーの斎藤洋介さん(42)です。先日、USB充電器のショートにより敷きパッドが焦げたとのご申告で修理センターで該当の製品を郵送した際に、焦げたという20cm四方ほどの敷きパッドの一部も同梱したとのこと。しかしお預かり品としては確認できていない状況です。


arimura
有村優希

先日ご連絡いただいたUSB充電器の件でご連絡させていただきました。いまお時間よろしいでしょうか?

saito
斎藤洋介

はい、どうぞ。

arimura
有村優希

お預かりしたUSB充電器の不具合をお調べしたところ、申し上げにくいのですが経年劣化によるものでして……、修理をご依頼いただくことは可能です。また発火の原因が製品の瑕疵不備には該当しないことから、敷きパッドの賠償は致しかねますことをご了承ください。

saito
斎藤洋介

えっ、どういうことですか。証拠として修理品のUSB充電器と一緒に焦げた敷きパッドを同梱して修理センターに送付してあったんだけど、ちゃんと確認されてますか?

arimura
有村優希

大変恐れ入りますが、こちらの記録によりますと、そのような内容物が同梱されてはいなかったようでございます。

saito
斎藤洋介

そんなばかな。自分は確かに修理品と同梱して送りました。家族と一緒に複数の目で確認して、梱包したんだから届いていないはずはない。私たちが勘違いしているっていうのですか! 嘘つき呼ばわりしないでもらいたい!


怒りの興奮が冷めやらないこともあり、社内で再度確認した上で、社としての見解を後日ご案内させていただくことをご了承いただき、この日の電話はここで終了したとのこと。送付されてきた修理品について、お客様が同梱したはずの内容物を企業が紛失したとのお申し出ではありますが、言いがかりの可能性も少なからず考えられます。

直接窓口においての受け渡しであれば、お預かり品の確認は容易です。しかし郵送となると多くの人の手を介して運ばれているため、本当に同梱されていたのか、はたまた何らかの理由で抜け落ちたのかは、誰にも判断できないのが現実です。どうご説明すればご納得いただけると思いますか?
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を元に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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