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エフォートレスなカスタマーサービス2023年9月4日
苦情・問い合わせは、お客様にとって「手間」
クレーム対応の代表的な形式の一つである、コールセンター。日々多くの問い合わせが寄せられますが、コールセンターユーザーのうち、過半数が事前にWebサイトやFAQを確認した上で電話をかけているという統計(*1)があるのをご存知でしょうか。コールセンタージャパンの調査によれば「事前にホームページの『よくある質問』やSNSなどで調べたか」という質問に対し、電話だけでなくメールやチャットなどのチャネルにおいても過半数が「見た」と回答していると言います。つまり、多くの消費者はあらかじめ問題の自己解決を試みており、その上で問い合わせをしているのです。
わざわざ時間をかけて自分で調べ、それでも問題が解決せず、仕方なくコールセンターに電話する……想像するだけでも、なかなかの労力ですよね。問い合わせを受けた時点で態度や口調が厳しいお客様がいらっしゃるのも、こうした背景が一因になっているのかもしれません。
お客様の負担を減らし、ストレスを最小限に抑えることを「エフォートレス」と言います。Effort(苦労)がLess(少ない)、つまり、お客様に余計な手間をかけさせないことで、顧客満足度を高める考え方です。では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
■エフォートレスに近づける効果的な方法
エフォートレスなカスタマーサービスの実現にはさまざまな方法がありますが、以下のような取り組みが効果的です。
取扱説明書やFAQの充実
商品・サービスについて分からないことがあった場合、消費者が最初にアクセスするのが取扱説明書やWebサイト上のFAQページです。より詳しい情報を記載するのはもちろん、問い合わせを受けた内容を分析して内容を随時アップデートするなど、柔軟な対応をすることでエフォートレスに近づけることができます。
伝わりやすさを意識した情報提供
どんなに取扱説明書やFAQページを充実させても、内容が分かりにくければ意味がありません。専門用語をなるべく使わない、明確な回答を用意する、イラストを活用するなどの配慮は不可欠です。また近年は、店舗までの道順やPCの設定方法などを、動画で解説している企業も増えています。サイト全体のデザイン(視認性)も含めて、伝わりやすさの工夫を心がけましょう。
問い合わせのマルチチャネル化
問い合わせ対応は、コールセンター以外にも対面接客やWebサイトの問い合わせフォーム、ソーシャルメディアなど、さまざまな手段(チャネル)があります。こうした手段を複数持つことを「マルチチャネル」と言い、窓口となる流入経路を増やすことで、お客様の負担を軽減することができます。
顧客のニーズを先回りしたサポートを心がけよう
不要な手間が増えるほど、顧客満足度はどんどん下がっていきます。コールセンターにおいては、「いかに電話をかけさせずに済むか」が大事であり、そうした環境を整えることがエフォートレスなカスタマーサービスへの第一歩です。
問い合わせの必要がない商品・サービスを提供する企業努力はもちろんですが、たとえ不明な点があっても、お客様が自ら問題解決できるよう上手く導くことが大事。そのためにも、顧客のニーズを先回りし、相手の立場に立ったサポートを心がけましょう。
(*1)出典:コールセンタージャパン編集部『コールセンター白書2022』, 株式会社リックテレコム, 2022年11月, P140-145
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