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クレーマーが増殖するわけ2023年5月29日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、「クレーマーが増殖するわけ」です。

社会問題化しても、一向になくならないカスハラ

ネガティブ感情

近年では一般的な言葉として浸透しつつある「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。さまざまな悪質行為がメディアで取り上げられる機会も増え、社会的に認知が広がっています。しかしながら、そのことがカスハラの抑止力になっているかというと、決してそうとは言えないでしょう。コンビニや飲食店の店員に横柄な態度を取る、タクシーやバスのドライバーに因縁をつける、インターネットに匿名で誹謗中傷を書きこむなど、例を挙げればきりがありません。
 
中には、声が大きいごく一部のクレーマーの存在によって、それ以外のサービス利用者が多大な迷惑を被ってしまうケースも。今やカスハラは、サービス事業者だけでなく社会全体の問題。にもかかわらず、なぜクレーマーは増殖しているのでしょうか。
 
クレーマーが増殖する理由としては、以下のようなことが考えられます。
 

「客が上、サービス提供者が下」という固定概念がある

「お客様は神様です」という言葉がありますが、金を払う客こそが上位であり、サービス提供者は常にへりくだるべき、という考えを持つ人が一定層存在します。特に日本のサービス現場においては、いわゆる「おもてなし」として手厚いサービスを受けられるのが当たり前と認識されており、そのことが上下関係の思考に拍車をかけている傾向があります。
 

SNSなど、情報を発信しやすい環境が普及している

今や、少しでもトラブルがあればSNSで何でも発信されてしまう時代です。たとえそれが事実と異なる“切り取られた”情報であっても、またたく間に拡散されてしまいます。そうなれば、不特定多数のユーザーの目に留まり、たちまち炎上状態に。この事態に便乗した“にぎやかし”のクレーマーが、言われのない誹謗中傷を展開するケースが増えています。
 

会社として行うべきクレーム対応が現場任せになっている

海外では、顧客が店員に対して暴力的な態度を示した場合、すぐさま警察やセキュリティーが対応します。しかし日本では、対応を現場の判断に委ねている企業が多く、その場で解決を図る傾向があります。これは、先に述べた上下関係の概念が企業側にもあることを示しており、「お客様に対してあまり強く出られない」「できれば大ごとにしたくない」という消極的な姿勢が垣間見えます。
 

企業にはいかなる場面でも、従業員を守る義務がある

暴言、威嚇、不当な要求といったカスハラは、職場における「パワーハラスメント(パワハラ)」と同じ。今の時代、パワハラを行った人には即刻処分が下りますよね。ところが、サービスの現場においてはとかく放置されがち。「クレーム対応とはそういうもの」と片付けるのではなく、企業はいかなる場面でも従業員を守る義務を負っている、そのことを改めて理解しましょう。
 
そういう意味では、今こそ「お客様は神様です」というスタンスを見直すタイミングなのかもしれません。横行するカスハラから現場のスタッフを守るためにも、明確なルールを策定するなどの取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。本来、サービスを受ける側と提供する側に上下関係は存在しません。双方が同じ目線で、感謝と敬意を持って接することができると良いですね。
 

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