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悪質クレーマーの心理2020年3月30日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは話相手へ与える印象をアップさせる「悪質クレーマーの心理」です。

悪質クレーマーの頭の中では何が考えられているのか?

脳内の思考

接客業において避けては通れない苦情・クレーム対応。いただいたご意見の中にはサービスを向上させるためのヒントとなり、感謝すべきものが多々ある一方で、見当違いな要求をされるケースがあります。過度な謝罪を求められたり、人格を否定されたりと、サービス業の実に7割の人がこのような経験をしたことがあると言います(※1)。

担当者のメンタルヘルスを守るためにも、正当な理由で改善を求めてクレームを伝えてくれる「顧客」と、理不尽で不当な無理難題を突きつけてくる「悪質クレーマー」とは、しっかり区別した対応を行う必要があります。線引きの目安として、企業や店舗などサービス提供側が丁寧な説明をしているにもかかわらず、「誠意を見せろ」や「土下座しろ」などと理不尽な要求をし続けてくる場合は、通常の顧客対応ではなく、危機管理対応に切り替えるべきです。警察や弁護士への相談も有効な手段となります。

また悪質クレーマーには次のようなタイプが存在します。それぞれ特徴があるので、これらに該当する場合は注意しながら対応しましょう。
 

性格的問題クレーマー

→思い込みによって自己の有能性を確認することを目的としているタイプ

【特徴】話が並行線で堂々巡りになりがち
【対策】書面での対応に切り替え
 

精神的問題クレーマー

→精神的な理由からグチのような内容を長時間訴えてくるようなタイプ

【特徴】支離滅裂で話が脱線しがち
【対策】本題のみを集中解決
 

常習的悪質クレーマー

→虚偽の事実で比較的少額の金銭を取得することを目的としているタイプ

【特徴】よそは対応してくれたが常套句
【対策】徹底的な事実確認
 

反社会的悪質クレーマー

→社会正義を理由に巨額の金銭や利益を得ようとすることを目的としているタイプ

【特徴】秘密を共有しようとする
【対策】証拠を残し、専門家に相談
 

クレームストーカー

→苦情という名目で特定の担当者につきまとうことを目的としているタイプ

【特徴】特定の担当者に固執する
【対策】担当者を変え、証拠を残す
 

世直し型クレーマー

→厳しいことでも自分が伝えなければならないという正義感から説教するタイプ

【特徴】高齢者に多い
【対策】感謝を意を示す
 

ストレス発散型クレーマー

→日々のストレスをクレームを理由に発散することを目的としているタイプ

【特徴】人格否定ともとれる暴言を吐く
【対策】その場で対応打ち切り
 

悪質クレーマーとの対応は必ず複数人で行うこと

苦情・クレームをお申し出いただくお客様は基本的に「何かを解決してほしくて」ご連絡をいただいています。そんな中、上記のような別の目的を持っている人は悪質クレーマーの可能性があります。慎重に見極めなければなりませんが、あてはまる要素がないか確認してみましょう。さらにいつどんなタイミングで発生するかもわからない悪質クレーマーとは、ひとりで対応しないというのが鉄則です。上長に報告する、専門家に相談するなど、あらかじめエスカレーションの方法や、線引きを決めておくと良いです。ひとりで抱えて過度なストレスにならないよう気をつけましょう。
 
※1:産業別労働組合「UAゼンセン」の調査結果はこちら

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