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会話のペースを掴むテクニック2023年5月22日
クレーム対応は、相手のペースで会話が進みがち
クレーマーの中には、怒りに任せて一方的に話を進める方も少なくありません。「この店は一体どうなっているんだ!」と怒鳴るやいなや、口を挟む隙もないままお客様の主張をひたすら聞き続ける展開に突入。こちらは相づちを打つのが精一杯で、ただただ口撃のパンチを受けるしかない状態に……。そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
クレームを訴える側と受ける側では、そもそも対等な立場にあるとは言えないかもしれません。しかしながら、会話のペースまでお客様主導になってしまうと、正しい判断をするのが難しくなるだけでなく、解決の折り合いがつかないまま不要な時間を費やしかねません。そうならないためにも、せめてこちらのペースで会話を進めていくことが大切です。では具体的にどうすれば良いのでしょうか。
会話のペースを掴むテクニックには、以下のようなものがあります。
ファーストグリーティング
何事も最初の挨拶が肝心。「はっきりした声」で「長めの挨拶をする」ことにより、会話のペースをグッと自分に引き寄せることができますよ。小さな声では相手の勢いに飲まれてしまいますし、短いセンテンスの挨拶だと会話のターンがすぐに相手に渡ってしまいます。「ご来店いただき、誠にありがとうございます。このたびは不手際があったようで、誠に申し訳ございません。お話を詳しくお聞かせいただけますでしょうか」など、できるだけ長いフレーズをハリのあるトーンで畳み掛けるのがポイントです。
パラフレーズ
「何が問題で、どうしたいのか」が明確でないと、お互いに納得のいく結論を導き出すことはできません。しかしながら、会話が長くなればなるほど主旨や論点を見失ってしまいがち。そうならないよう、ある程度続いた話の内容を自分の言葉に置き換えて伝えるのが、パラフレーズというテクニックです。「つまり、こういうことですよね?」と、会話の合間合間に確認を繰り返すことにより、解決までの道筋を作りながら自分のペースで話を進めることがきますよ。
マジックフレーズ
クレーム対応の現場では、何気なく発した言葉が思わぬ怒りを買うことがあります。お客様のご希望に沿う対応ができない場合などは、とりわけ注意が必要でしょう。そんな時に効果的なのが、マジックフレーズと呼ばれる言いまわし。同じ謝罪の言葉でも「すいません」と「深くお詫び申し上げます」では、後者の方がより良い印象を受けますよね。同様に、「ごもっともでございます」「恐れ入ります」といった言い回しも◎。お客様に不快感を与えることなく、コミュニケーションを円滑にしてくれます。
会話のペースを掴み、対等な立場で交渉しよう
クレーム対応では、時として不当な対応を要求されることがあります。そうした場合でも、お客様の主張に一定の理解を示しつつ、毅然とした態度でこちらの主張を伝えなければなりません。これは「アサーションスキル」と呼ばれるもので、さまざまなトレーニングをすることによって身につけることができます。このスキルを磨いていけば、より一層会話のペースも掴みやすくなるでしょう。
先ほどクレームを訴える側と受ける側は対等な立場にないとお伝えしましたが、双方にとって最善の解決策を提案するためにも、交渉の場においては対等であるべきです。相手の勢いや圧に押されて不当な要求を受け入れざるを得ない、そのような状況に陥らないためにも、会話のペースを掴むことを意識して対応に取り組んでみてはいかがでしょうか。
選任担当者がおらず十分な対応ができていない
難易度の高いクレームが増えてきて困っている
スタッフによるスキル差が目立ちはじめた
……など
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