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悪質クレーマーがよく使う論法2022年5月9日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、議論を複雑化させる「悪質クレーマーがよく使う論法」です。

巧みな言い回しで対応が難しい、“口撃”型クレーマー

悪意のあるコメント

日頃からクレーム対応でさまざまな人と対話していると、間違った主義主張をあたかも正しいかのように話したり、巧みな言い回しでこちらが納得せざるを得ない状態に追い込んできたりする人に遭遇することも多いのではないでしょうか。そういった虚偽・ごまかしを含む話し方を「詭弁(きべん)」言い、悪質クレーマーがよく使う論法です。
 
詭弁は主に、相手を説得する際に用いられます。自らは間違った主張をしていながら、会話の流れで論点を意図的にずらしたり、話題をすり替えたりすることによって、自分の意見を正しいものとして押し通します。対応する側は、なかなか的を射ない相手の話に翻弄されてしまい、いつの間にか言いくるめられてしまうこともしばしば。議論の場においては、特に注意しなければならない話し方と言えるでしょう。
 
悪質クレーマーの中には、頭の回転が早く口が立つ人も少なくありません。そういった相手に対し、必要以上の謝罪や不要な対応を行わないためにも、彼らがよく用いる論法を把握し、それらの構造について理解しながら、正しい対処法を身につけましょう。

 
悪質クレーマーがよく使う論法
悪質クレーマーがよく使う論法にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
 

藁人形論法 言いがかり

相手の主張を意図的に歪めて引用し、本来の趣旨とは違う主張に捻じ曲げて反論する『藁人形論法』は、悪質クレーマーが好んで用いる話し方のひとつです。例えば、「説明書は確認しましたか?」と質問したことに対し、「字も読めない馬鹿だと言ったな!」といったように、拡大解釈して言いがかりをつけるのが、この論法の特徴です。
 

お前だって論法 話のすり替え

自分の不当性に対する指摘をかわすために、相手の小さな矛盾を突いてごまかす『お前だって論法』も、クレーム対応の場面では頻繁に見られます。例えば、「静かにしてください」という指摘に「そっちの客引きの声がうるさいのは良いのかよ!」などと反論するイメージです。一見正当性があるように思いがちですが、静かにしない言い訳にはなっておらず、単なる話のすり替えでしかありません。
 

対人論法 人格攻撃

主張の内容ではなく、性別・年齢・肩書といった属性に応じて主張の正誤を判断するような話し方を『対人論法』と言います。自分が認める相手でないと到底納得せず、場合によっては「若いやつに分かるはずがない」「女の店員では話にならない」など、差別的な発言で人格攻撃してくることもあるので、特に注意が必要な論法と言えるでしょう。
 

常に論点を明確にしながら、主導権を握って対応しよう

こうした論法を操る悪質クレーマーは、多くの場合「何とかして相手を打ち負かしたい」「自分が優位に立ちたい」という心理を抱えています。それはつまり、「どこか自分が劣勢である」という気持ちの裏返し。だからこそ、あの手この手でこちらを翻弄し、道理に合わない主張でも強引に押し通そうとするのです。
 
そうした手に乗らないためにも、常に論点を明確にしながら会話を進めることが大事。少しでも話しの流れがおかしいと思ったら、その都度軌道修正すれば良いのです。そうすれば、もともと負い目のある相手のこと、必ず綻びが生じるはず。相手のペースに飲まれるのではなく、こちらが主導権を握って議論をリードするよう心がけましょう。

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