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アサーションスキルの身につけ方2021年10月25日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、クレーム対応する際の交渉に役立つ「アサーションスキルの身につけ方」です。

クレーム対応に求められる「アサーションスキル」

会話をする男女

クレーム対応の現場では、時としてお客様から不当な対応を求められることがしばしばあります。そうした場合、お客様の主張に理解を示しつつも、釈然とした態度でこちらの主張も伝えなければなりません。そんな時に求められるのが「アサーションスキル」です。
 
アサーションとは、「断定」や「主張」といった意味を持つ言葉で、日本語では「自己主張」という意味になります。これを踏まえてアサーションスキルとは、相手の考えを尊重するとともに、自らも明確に主張できる能力のことを指します。
 
アサーションスキルがあれば、お客様を不要に刺激したり傷つけたりすることなく、対等な立場で主張することができます。現場のスタッフが身につけるべき重要なコミュニケーションスキルと言えるでしょう。
 
自己主張には3つのタイプがある
そもそも自己主張には、3つのタイプがあります。
 

アグレッシブ(攻撃型)

アグレッシブとは、思ったことをズバズバ言ったり大声を張り上げたりといった、攻撃的なタイプのこと。精神的に幼い傾向にあり、自分の主張を通すためなら手段を選びません。勝ち負けにこだわり、常に優位に立とうとする人が多く、クレーマーの多くがこのタイプになります。
 

ノン・アサーティブ(非主張型)

ノン・アサーティブの特徴は、自己主張が控えめで物静かな性格であること。相手に対する思いやりがあるからこそ曖昧な表現を好み、問題に対する明言を避ける傾向があります。いわば、アグレッシブとは真逆と言えるでしょう。
 

アサーティブ(バランス型)

アサーティブの特徴は、相手の気持ちを推し量った上で、自分の気持ちを率直に伝えられること。その場の空気を読み、臨機応変に言葉の表現を選ぶことができます。引くところは引き、主張するところは主張するという、アグレッシブとノン・アサーティブの中間にあたり、アサーションスキルが高いのもこのタイプになります。
 

アサーションスキルのトレーニング方法

では、アサーションスキルを身につけるにはどうすればいいのでしょうか。トレーニングの方法としては、以下のようなものがあります。
 

DESC話法

DESC話法とは、要望を上手に伝えるための話し方のひとつで、「D(Describe:描写する)→E(Express:表現する)→S(Specify:提案する)→C(Choose:選択する)」の4つのステップを意識して対話する方法です。アサーションスキルを身につけるには、相手がどういったプロセスで理解・納得するのかを考えることが大事。この方法を使うことで、自然な自己主張ができるようになります。
 

アイメッセージ

アイメッセージとは、会話の主語を自分にする話し方のこと。「あなた(You)はこうするべきだ」ではなく「私(I)はこうしてもらえると嬉しい」といった言い回しになります。これができれば、相手を刺激せずに自分の主張を伝えることができるので、クレームの現場でも役に立つでしょう。
 

Yes, but法

Yes, but法とは、相手の主張が自分と反対意見だった場合、まずは「なるほど」と一度受け入れた上で、「ただ、◯◯はどうでしょうか」とこちらの主張を提案するトーク術です。ポイントは、相手の主張を否定しないこと。その上で新たな提案をすることにより、歩み寄る姿勢を示しながら交渉の選択肢を広げることができます。
 

アサーションスキルを高めてクレーム対応に役立てよう!

クレーム対応で最も重要なのは、「お客様と対等の立場で交渉すること」。一方的に要望を受け入れるのではなく、お客様の気持ちに寄り添いながらも、こちらの主張もしっかりと伝えることが大切です。双方が納得できるよう建設的に話を進めていくためにも、アサーションスキルを磨いてみては?

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