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Case18:何を求めているのか掴みにくいクレームにはどう対処すべきか?2023年4月3日
今回ご紹介するのは、いつも冷静沈着な室内随一の頭脳派である青山健一(47)が担当した【オーダーメイド靴ショップにおけるすれ違いクレーム】トラブル発生編です。
クレームの要領を得ないまま手探りで対応するのは危険
こんにちは、青山です。
今回ご紹介するのは、地元で親しまれているオリジナル&オーダーメイド靴ショップ・テーラーフィッツで起こった事例です。対応したのは、入社4年目の佐藤貴彦さん(29)。佐藤さんはある日、常連のお客様から革靴のオーダーメイドを依頼されました。いつもと変わらない手順で滞りなく対応し、完成した商品をお渡しした翌日、思わぬクレームを受けてしまったそうです。
「仕上がりのイメージが全然違う!どうしてこうなったんだ!」
そう憤るのは、普段からテーラーフィッツの商品を愛用している梶原正志さん(51)。その履き心地の良さから、今回初めて自分のサイズに合わせたオーダーメイドを注文したそうです。品質の高さは既に把握済み。試着の際もこれといって問題はありませんでした。ところが、実際にシューズを履いて歩いてみたところ、思っていた履き心地ではなかったようで……。
この店の革靴が気に入っていたからオーダーメイドを頼んだのに、どうしてこんなことになるんだ!
申し訳ございません。どの辺がお気に召しませんでしたか?
はい、弊社の商品をいつもご愛用いただいていると……。
失礼ですが、デザインやステッチなどはご愛用いただいている既製品と同じものです。それに、オーダー用にご用意している革は既製品よりもやや高級なものでして、より滑らかな質感なんです。その方が履き心地も良いですし、お客様にも喜んでいただけるかと……。
そうはおっしゃいますが……それでしたらオーダーではなく既製品でいいということでしょうか?
・・・・・・(一旦、対応を終える)・・・・・・
なんとも噛み合わない二人のやり取り。梶原さんの言葉が足りないのか、佐藤さんがクレームの理由をイマイチ理解できていないようです。要領を得ないまま手探りで対応したようですが、結局佐藤さん一人では問題を解決できず、オーナーを交えた対応となってしまいました。
どうやらすれ違いの原因は、はじめに注文を受けた際に佐藤さんが口にした「オーダーメイドでもいつもと同じにできますよ」という言葉にありそうです。果たしてこの言葉の何がいけなかったのでしょう?そして梶原さんが怒っている理由は何だと思いますか?ぜひ一緒に考えましょう。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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……など
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