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Case13:取扱説明書がある製品の交換にどう対応するべきか?2022年2月28日

お客様を相手にした商売にカスタマーサービスは必要不可欠。この連載では顧客対応に関する“アレコレ”を「カスタマーサービスのお悩み相談室」の個性豊かな面々が解説していきます。

今回ご紹介するのは、いつも冷静沈着な室内随一の頭脳派である青山健一(47)が担当した【メーカーにおける製品不良クレーム】トラブル発生編です。

最初の問い合わせの段階で、どこまで確認するかがカギ

青山健一(47)

こんにちは、青山です。

今回は美容家電を販売しているメーカーのアドライフ・カンパニーで起こった事例をご紹介しましょう。加湿器からミストが出ないというお問い合わせメールを受け取った、お客様対応に従事する里見香菜さん(27)。クレーム対応マニュアルに従って返信したにもかかわらず、クレームに発展してしまったとのこと。

 
それぐらい当然確認した上で問い合わせています。相当不愉快ですね。適切な対処をお願いします。

と、冷静ながらも怒りを隠さない文面を返信してきたのは、加湿器の件で問い合わせをした加藤彰子さん(40)。というのも、最初の問い合わせの際、里見さんから「取扱説明書を確認して、改善されなければまた問い合わせてください」との回答を受けたそうで、それに対して先ほどの返信をしたというのです。


kato
加藤彰子

ネット通販を利用してそちらのメーカーの加湿器を購入したのですが、ミストが出ません。初期不良だと思うので交換をお願いします。

satomi
里見香菜

ミストが出ないとのこと、大変申し訳ありません。 まずは取扱説明書をご確認いただき、それでも改善されないようであれば、改めてご連絡いただけますと幸いです。

kato
加藤彰子
それぐらい当然確認した上で問い合わせています。相当不愉快ですね。適切な対処をお願いします。

satomi
里見香菜

すでにお試しいただいていたとのこと、大変失礼いたしました。それでは交換させていただきます。

kato
加藤彰子
常識的に考えて、説明書に書いてある程度のことを試せ、それでもダメなら再度連絡しろ、というのは誠意がなさすぎます。せめて「説明書に記載はないがこんな可能性も考えられる」など、具体的な説明をすべきでは?それに、きちんと確認もせずに「怒っているみたいだから仕方なく交換する」という対応もどうなんでしょうか。他のメーカーの通販もいろいろ利用していますけど、このような不快な思いをしたのははじめてです。

 


加藤さん(40)からの最初の問い合わせの段階では、そこまで怒っている様子は感じられませんでした。しかしながら、里見さん(27)の返信をきっかけに加藤さんの怒りに火を付けてしまい、二重クレームへ発展してしまったというのが、今回のケースのポイントと言えそうです。

そうなると、加藤さんの性格等,顧客側の要素以上に、これまでのメーカー側の対応に問題があった可能性が疑われます。では一体、里見さんの最初の返信はどこがいけなかったのでしょうか?一緒に考えてみましょう。
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を元に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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