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顧客満足度を上げるクレーム対応2022年8月15日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、意識的に取り組みたい「顧客満足度を上げるクレーム対応」です。

クレーム対応の本質は、顧客満足度を上げること

利用者の評価

お客様から日々寄せられるクレームの数々。対応している現場スタッフにとっては、非常に悩ましい問題です。クレームを訴えるお客様の中には、大きな不満や怒りの感情をぶつけてくる人も少なくありません。そうした場面が重なると、あたかもこちらに不備があるように感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
 
一説によると、企業が提供する商品・サービスに対して、良くも悪くも何かしらの意見を表明する消費者は、全体のわずか1割と言われています。つまり、1つのクレームが全てのユーザーの意見とは限らないのです。とはいえ、企業が受け止めるべき意見である可能性ももちろんあるわけですから、決して蔑ろにできないのがクレーム対応の難しいところです。
 
クレーム対応の本質は、お客様の意見に真摯に向き合い、顧客満足度を上げることにあります。そのため、寄せられた苦情が果たして「少数派の意見」なのか「多数派の意見」なのか、しっかりと見極める必要があるでしょう。
 
顧客満足度を上げる取り組み
寄せられた苦情が、少数派・多数派どちらの意見なのかを見極めるには、意見を表明しない残り9割の「声なき声」を可視化しなければなりません。そのための方法としては、以下のようなものがあります。
 

VOC(Voice Of Customer)分析

VOCとはいわゆる「お客様の声」のこと。苦情・クレームはもちろん称賛や感想、要望なども全てVOCに含まれます。アンケートやメールフォーム、モニター企画などを通じて多くの感想を募り、そこで集まった情報を分類。多角的に分析していくことで、本当に求められているサービスを見極めることができます。
 

ソーシャルリスニング

VOCの中でも、TwitterやFacebook、Instagramといったソーシャルメディア(SNS)の情報に特化して収集・分析するのが、ソーシャルリスニングです。SNSの情報は、直接企業に宛てて発信されたVOCではない分、より率直な意見が含まれています。今後クレームにつながりそうな火種や、小さな不満・違和感まで掬い上げることができるため、近年実践する企業も増えています。
 

顧客満足度を上げて、企業そのもののファンを増やそう

先にも述べたように、サービスを受けた全てのユーザーが反応を返してくれるわけではありません。苦情を訴えるお客様はどうしても悪目立ちしがちですが、場合によってはその1人の後ろに、同じ不満や意見を抱えるユーザーが多数いるかもしれないのです。
 
また苦情を訴えるお客様の中には、「もう二度とこんなサービスは利用しない!」などと口にする人もいるでしょう。そのまま対応を終えてしまえば、これ以上のクレームを受けずに済みます。しかし対応次第では、「丁寧に対応してくれた」「納得いく説明を聞けて満足」など、マイナスの評価をプラスに変え、企業そのもののファンになってもらえるかもしれません。
 
だからこそ、幅広いお客様の声に耳を傾け、真のニーズを的確に把握することが大事。本当に求められていることは何かを考え、顧客満足度を上げるクレーム対応につなげましょう。

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