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Case11:特定の従業員に対する執拗なクレーム行為はどう対処すべきか?2021年11月29日
今回ご紹介するのは、当相談室の室長である四谷信司(58)が自ら担当した【アパレルショップにおけるストーカークレーム】トラブル発生編です。
顧客からの執拗な誘いを断って、まさかのクレーマー化
こんにちは、当相談室の室長を務める四谷です。
今回ご紹介する事例は、ここ数年で特に相談を受ける件数が急増しているケースになります。舞台は、アパレルショップのデイリー・ユース。スタッフの大塚愛理さん(25)は、常連客から繰り返しプライベートで食事に誘われていました。お客様の気分を害さないよう、はじめは会話をはぐらかすに留めていましたが、ある時、はっきりとお断りを伝えたところ、常連客の態度が一変。クレーマー化してしまったそうです。
「そちらで働いている大塚さんが、コロナで外出自粛期間中にも関わらず、大人数で飲み歩く様子をSNSに投稿していました」
と店舗へメールを送ってきた、常連客の永田拓馬さん(38)。大塚さんの名前をわざわざSNSで検索し、個人アカウントを特定した上で報告してきたのです。電話を受けた店長の河本加奈子さん(37)が大塚さんに確認したところ、投稿の内容は事実とのこと。そのため、以後注意し指導を徹底する旨をメールで返信しましたが、大塚さんに関するクレームのメールが収まることはありませんでした。
デイリー・ユース様、そちらで働いている大塚さんが、コロナで外出自粛期間中にも関わらず、大人数で飲み歩く様子をSNSに投稿されていました。御社ではどのような指導をされているのでしょうか?
永田様、デイリー・ユース店長の河本と申します。このたびは不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
本人に確認したところ、事実とのことでした。今後このようなことがないよう、指導してまいります。
河本様、ぜひよろしくお願いします。このままでは安心して店舗を利用できないので、また何かあれば報告するかもしれません。
・・・・・・(数日後、再び永田さんからメールが来る)・・・・・・
デイリー・ユース様、大塚さん、今度はマスクもせずに遊んでいる姿をSNSに上げていますね。証拠の画像もスクショしたので、添付します。似たような投稿がいくつもありましたが、どうなっているのでしょうか。
大塚様、再び弊社スタッフの件でご連絡いただき、ありがとうございます。本人に確認したのち、改めてご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちください……。
メールの内容は決して虚偽ではなく、大塚さんも認めて反省しているとのこと。しかしながら、特定のスタッフを執拗に調べ上げ、画像まで送ってくる永田さんの行動には、大塚さんに対する過剰な執着や異常性が伺えます。このような場合、デイリー・ユース側はどのように回答するのがベストでしょうか?
一見クレームを装いながらも、特定のスタッフにしつこくつきまとう顧客のことを「クレームストーカー」と言います。単なる嫌がらせの場合もありますが、多くは恋愛感情の裏返しによるもの。放っておけば行動がエスカレートする可能性もあるので、慎重な対応が必要です。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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