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Case2:顧客対応履歴などの個人情報は削除依頼に応じる義務はあるのか?2020年8月10日

お客様を相手にした商売にカスタマーサービスは必要不可欠。この連載では顧客対応に関する“アレコレ”を「カスタマーサービスのお悩み相談室」の個性豊かな面々が解説していきます。

今回ご紹介するのは、いつも冷静沈着な室内随一の頭脳派である青山健一(47)が担当した【アパレルにおける個人情報削除依頼クレーム】トラブル発生編です。

個人情報は特定の個人を識別できる情報のこと

青山健一(47)

こんにちは、青山です。

今回、僕がお話しさせていただくのはアパレルブランドで起きた個人情報にまつわる事例です。クロネのカスタマーサポートで働く竹内壮太さん(28)。購入したバッグに不具合があるから直してほしいとご連絡をいただくも、保証期間が経過しているため、有償での修理を案内しますが、その後の対応にご納得いただけず、苦情に発展してしまったそうです。

満足のいく対応をしてくれないブランドなんてもう使わないから、私の個人情報はすべて削除してちょうだい!

と不満をあらわにしたのは島田紀子さん(58)。一度は有償修理を申し込んだが不愉快な対応だったという理由からキャンセルしており、現在は修理の受付記録やそれに伴う対応履歴等の個人情報のすべてを抹消してほしいと要求されている状況とのこと。


shimada
島田紀子

もういいわ。(有償)修理の申し込みもキャンセルして。

takeuchi
竹内壮太

ご希望に添えずで大変申し訳ありません。

shimada
島田紀子

できない、できないって……。こんな不愉快な対応をするブランドに、私のデータが残ってるなんて我慢ならないわ! 私の個人情報はすべて削除してちょうだい!!

takeuchi
竹内壮太

大変恐縮ですが、個人情報の削除については私では判断できかねます。一度、社内で確認いたしますので、折り返しのご連絡とさせていただいてもよろしいでしょうか?

・・・・・・(再度ご連絡するとお約束し、一旦切電)・・・・・・


簡単に言うと、個人情報とは特定の個人を識別できる情報のことを指します。苦情・クレーム対応の現場ではお客様のお名前や電話番号などの連絡先情報をはじめ、問い合わせ履歴など、各種個人情報が取り扱われています。

お客様からのご依頼であっても、即時対応するのはあまりに危険です。顧客管理に重要なこれらの情報は、削除してよいものかどうかしっかりと見極めたいところ。企業の一次対応としては「ご要望についての企業の見解を確認して、改めてご回答申し上げる」と、一旦お預かりするのが得策です。
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を元に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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