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Episode8:相手を批判しても何も始まらない2019年7月5日
「どうして入荷してないんだよ!?」
この教訓はデパートのサービスカウンターで起きたお話。購入予定だったワインが店頭にないとのお申し出でした。在庫を調べるとご希望のヴィンテージワインの入荷予定は1週間後。その状況をお伝えすると「今日入るって聞いたのにどうして入荷してないんだよ!?」とクレームに発展してしまいました。しかしどんなに「いますぐに用意しろ!」と言われても在庫がないものはどうしようもありません。その後、お客様にお渡ししていた控えの伝票を再度確認したところ、お客様が入荷予定日を誤って認識されていたことが判明。そう、お客様の勘違いだったのです。奥さまの誕生日に生まれ年のワインをプレゼントすると約束していたとのことで、その約束を守れなくなってしまうという気持ちが怒りに変わってしまったようです。事情を察したマネージャーが系列店や入荷元などに連絡を入れたところ、運良く在庫を確保でき、この件は一件落着となりました。このようにお客様にはそれぞれ事情があります。事実のみをお伝えするだけでなく、お気持ちを理解して差し上げることも解決への鍵となります。
相手を批判しても何も始まらない
ことわざに「盗人にも三分の理」というものがあります。これは悪事を働いた者にも、それなりの理由はあるという意味です。たとえ理不尽なクレーム内容だったとしても、それはきっと何らかの事情があってのこと。理由の中には寂しくて話し相手が欲しかったなどということもあるかもしれません。そういったお客様の事情を無視して相手を批判しても何ら事態は解決しません。大切なのはお客様の事情や心理を理解し、最善の策を一緒に導き出すことです。特に「それはおかしいんじゃないですか」「非常識じゃないですか」というような相手を裁くような言葉を使わないように心掛けましょう。相手の立場になって考えるーー。ほんのちょっとした“優しさ”が、ときに事態を解決する鍵になり得ることを頭の片隅においておいてください。
座右の銘「幸運な男とはどこまでを運に任せるかを知っている男である」
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