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Episode8:相手を批判しても何も始まらない2019年7月5日

お客様対応をしているとどんなケースでもさまざまな学びがあります。この連載「室長四谷の小話『現場に学ぶ教訓』」では、当相談室の室長である四谷信司が実際に現場で経験したエピソードや接客の時事ニュースについて思うことをご紹介します。今回の現場は「サービスカウンター」です。

「どうして入荷してないんだよ!?」

サービスカウンター

この教訓はデパートのサービスカウンターで起きたお話。購入予定だったワインが店頭にないとのお申し出でした。在庫を調べるとご希望のヴィンテージワインの入荷予定は1週間後。その状況をお伝えすると「今日入るって聞いたのにどうして入荷してないんだよ!?」とクレームに発展してしまいました。しかしどんなに「いますぐに用意しろ!」と言われても在庫がないものはどうしようもありません。その後、お客様にお渡ししていた控えの伝票を再度確認したところ、お客様が入荷予定日を誤って認識されていたことが判明。そう、お客様の勘違いだったのです。奥さまの誕生日に生まれ年のワインをプレゼントすると約束していたとのことで、その約束を守れなくなってしまうという気持ちが怒りに変わってしまったようです。事情を察したマネージャーが系列店や入荷元などに連絡を入れたところ、運良く在庫を確保でき、この件は一件落着となりました。このようにお客様にはそれぞれ事情があります。事実のみをお伝えするだけでなく、お気持ちを理解して差し上げることも解決への鍵となります。
 

yotsuya
四谷信司

相手を批判しても何も始まらない
ことわざに「盗人にも三分の理」というものがあります。これは悪事を働いた者にも、それなりの理由はあるという意味です。たとえ理不尽なクレーム内容だったとしても、それはきっと何らかの事情があってのこと。理由の中には寂しくて話し相手が欲しかったなどということもあるかもしれません。そういったお客様の事情を無視して相手を批判しても何ら事態は解決しません。大切なのはお客様の事情や心理を理解し、最善の策を一緒に導き出すことです。特に「それはおかしいんじゃないですか」「非常識じゃないですか」というような相手を裁くような言葉を使わないように心掛けましょう。相手の立場になって考えるーー。ほんのちょっとした“優しさ”が、ときに事態を解決する鍵になり得ることを頭の片隅においておいてください。

 

室長四谷のプロフィール

四谷信司(58)
O型/男性

当相談室の室長。メンバーの良き理解者であり、リーダー。前職が保険会社勤務だったため、複雑な保険業界に関して圧倒的な知識力を誇る。クレーム対応は人の心の理解が第一だと考えている。
 
座右の銘「幸運な男とはどこまでを運に任せるかを知っている男である」
※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を元に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
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