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ネット時代のリスクマネジメント2024年2月5日
近年、SNSに端を発したトラブルが増えている
総務省が発表した令和5年版の情報通信白書(*1)によると、2022年の個人インターネット利用率は84.9%とされています。スマートフォンの普及やコロナ禍による社会変化も後押しとなり、実に国民の8割以上がユーザー化。今やインターネットは、世の中に欠かせない重要なインフラのひとつと言えるでしょう。
こうした状況の中で懸念すべきなのは、インターネットの危険性。特に近年は、SNSを中心としたソーシャルメディアの投稿をきっかけにさまざまな問題が起きています。クレームに端を発する不買運動が起きたり、ユーザーによる不適切な行動から裁判に発展したり、社員による内部告発がニュースで広く取り上げられたり……。状況次第では経営やビジネスの存続に影響を与えかねません。
また、最近では企業が率先してソーシャルメディアを活用する動きもあり、軽率な投稿からトラブルに発展する事例も多くあります。インターネットは利便性が高い反面、活用するには大きなリスクが伴うもの。だからこそ企業は、しっかりとリスクマネジメントを図る必要があるのです。
ネット時代のリスクマネジメントとして、企業は以下のような点に気をつけましょう。
ネットリテラシー
インターネットを正しく使いこなすための知識や能力を指します。ネット上にある情報の本質を正しく読み取れる、情報の取捨選択ができる、状況に応じて適切な対応ができる、公序良俗に配慮した投稿をする、迂闊に個人情報を書き込まない、などが該当します。
ソーシャルリスク
X(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNSや、ブログ・ネット掲示板などの書き込みを発端とするリスクです。クレーム投稿の拡散による「炎上リスク」、個人情報や機密情報の漏洩の「セキュリティリスク」、社員の不適切な投稿による「内部運用リスク」など、さまざまなリスクがあることを認識しましょう。
コンプライアンス
インターネットを利用する上でのルールを指します。倫理観や公序良俗といった社会的な規範に従って公正・公平に運用することを意味しており、法令・法律の遵守はもちろんのこと、社内規定や就業規則といった独自の基準に則した対応が求められます。
SNSのメリット・デメリットにしっかり向き合おう
SNSの利用は、商品やサービスの拡散、情報収集、マーケティング、企業ブランディングなど、さまざまなメリットがあります。ユーザーと直接コミュニケーションが取れる貴重な場でもあり、リスクはあるものの使い方次第で多くの恩恵を受けられるので、積極的に活用したいところですよね。
ビジネスシーンでもインターネットが主流になりつつある今の時代、企業におけるリスクマネジメントは重要な取り組みのひとつです。会社としてソーシャルメディアとの向き合い方が問われているといっても過言ではありません。実際に一部の企業では、社員教育の一環としてコンプライアンス研修やネットリテラシー研修を導入。正しい利用方法を指導しているケースもあります。利便性や手軽さだけに目を向けず、しっかりと対策を図った上でトラブルを回避し、SNSを上手に活用しましょう。
(*1)出典:インターネット利用率(個人)の推移, 総務省, 2023年, 情報通信統計データベース
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