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Case21:「待ち時間でロスした時間を賠償しろ!」というクレームにはどう対処すべきか?2023年11月20日
今回ご紹介するのは、当相談室の室長である四谷信司(58)が自ら担当した【薬局における待ち時間賠償クレーム】トラブル発生編です。
イレギュラーに待ち時間が長くなり、クレームに発展
こんにちは、当相談室の室長を務める四谷です。
今回は私が担当した案件の中から、臨機応変な対応と毅然とした姿勢の大切さを学ぶのに良い事例があるので、ぜひ紹介させてください。相談者は、とある地方都市にある小規模な調剤薬局「サンムーン・ファーマシー」に勤めて3年目の小山幹央さん(29)。ある日小山さんは、いつも通り店頭で接客にあたっていたそうです。地方の店舗ということもあり、普段はそれほど混雑しない平日の昼下がりでしたが、その日はたまたお客様が重なり、店内が混みあっていたのだとか。するとその一人が急に怒り出して……。
「待ち時間が長すぎるんだよ、いつまで待たせるんだ!」
そう言って大声で怒鳴り散らしているのは、高松圭一さん(55)。いつもより待ち時間が長いことに耐えかね怒り心頭の様子です。周囲にお待ちいただいているお客様もいらっしゃる中、カウンター越しに押し掛け金銭まで要求してきたそうで…。
いつまで待たせる気だ!こっちにも都合があるんだよ!
お待たせしてしまい、大変申し訳ありません……(しどろもどろ)。
さっきからずっと待ってるだろ!いつもはせいぜい10分で終わるのに、今日はもう30分もほったらかしだ!こんなことあるかよ!
本日はいつもより大変混みあってしまい、お待ちいただくしか……。
こっちだって、暇じゃねーんだよ。余分に待った時間の損失をどうしてくれるんだ!?損害賠償で5,000円払え!
わ、わかりました。店長に確認しますので、少々お待ちください……。
・・・・・・(店長へと引き継ぐ)・・・・・・
謝罪や説明は聞き入れていただけず、金銭を支払わないとここを一歩も動かないぞ!と、その場に居座り、店内もピリピリと困惑したムードに包まれ、さらに待ち時間も長くなっていく一方。小山さんは恐怖を感じ、疲労困憊していました。
サンムーン・ファーマシーに限らず、サービスの現場で起こりがちな「待ち時間に関するクレーム」。慢性的に待機時間が長くなる場合はきちんと対策を立てられますが、今回のように予想も立てられずスポット的に混雑してしまった場合は、なかなか対応が難しいかもしれません。
しかも今回のケースは、待ち時間に対する理不尽なクレームだけでなく、金銭まで要求されています。高松さんの勢いに押されてしまい、小山さんが弱気な態度になってしまっているのも気になりますね。この場合、みなさんならどのように対応しますか?
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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難易度の高いクレームが増えてきて困っている
スタッフによるスキル差が目立ちはじめた
……など
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