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Case19:お客様側に非がある場合のクレームにはどう伝えるべきか?2023年7月3日
今回ご紹介するのは、持ち前の愛嬌でどんな相手でも懐に入り込んでしまう飯塚直人(52)が担当した【大手家電メーカーで起きた故障クレーム】トラブル発生編です。
こちらに非がないことをアピールし、クレームに発展
こんにちは、飯塚です。
今回は、お手頃な価格設定で多くのファンを持つ大手家電メーカー・デンショーテクニカで起こった事例をご紹介します。対応したのは、問い合わせ窓口2年目の高野智さん(25)。ある日高野さんは、「普段通りに使っていたら、オーブンレンジが突然発火した」という問い合わせを受けたそうです。一旦現物をお預かりして自社の製品開発部門に調査を依頼したところ、製品自体に問題は見つからず、外的要因、つまり中に入れたものが発火元だったことがわかりました。どうやら原因はお客様側にあったようです。高野さんは改めてお客様に連絡し、調査結果について説明しました。ところが……。
「証拠もないのに、客を嘘つき呼ばわりするなんて信じられない!」
そう言って電話口で憤るのは、高野さんからの報告を受けた竹部早苗さん(34)。発火したオーブンレンジの持ち主です。何やら高野さんの伝え方に何か不満があったようですね。高野さんは一体どんな伝え方をしたのでしょう?
発火の原因は何だったんですか?
はい、弊社の商品開発部門で調査しましたところ、今回は製品自体が発火したのではなく、中に入れたものが発火元だったとのことでした。
しかしですね、製品の不具合で発火した場合、炎上部分はこのような燃え方にはならないそうなんですよ。これは弊社の製品テストでも確認されておりますので、間違いありません。ですので、製品自体に異常はなかったということなんです。
あ、いえ、そんなつもりは……。ただ、発火の原因はいろいろとありまして……。
・・・・・・(上司を呼びにいく)・・・・・・
今回のケースは、クレーム対応の中でも比較的多くの人が陥りやすい事例ではないでしょうか。問い合わせが来て調査をした結果、自社側に責任のないことがわかった。そこまでは良いとして、お客様側に何かしらの要因があることを、それとなく伝えなければならない。これがなかなか難しいんですよね。
おそらく高野さんも、悪気はなかったはずです。製品不良ではなかったということですから、もしかしたら自社製品の安全性を訴えたかったのかもしれません。とはいえ、そのことがお客様を疑うような物言いになってしまったのはいただけません。では、どのようにお伝えすればよかったのか? ぜひ一緒に考えていきましょう。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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