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クレームを未然に防ぐテクニック2022年10月3日
クレームを「無くす」のではなく「未然に防ぐ」を心掛けよう
サービス業において、お客様からの苦情・クレームは、切っても切り離せないもの。どれだけ気をつけていても、起きるときは起きてしまいます。同様のサービスを提供しているにもかかわらず、お客様の気分や状況、受け取り方次第でクレームになってしまうこともあるので、まったくのゼロにすることは不可能に等しいと言えるでしょう。
とはいえクレームは、できることなら極力避けたいもの。それならば、「無くす」のではなく「未然に防ぐ」ことを意識してみてはどうでしょうか。クレームを未然に防ぐにはさまざまな方法がありますが、今回紹介するのは、お客様の「心理」にアプローチする方法です。接客するにあたって、人間の思考や心の動きを把握することは非常に大切。それぞれの特徴と効果についてしっかりと理解し、普段の接客に応用しましょう。
お客様の「心理」にアプローチしてクレームを防ぐ
クレームを未然に防ぐテクニックとして、以下のような心理効果を取り入れると効果的です。
1.ザイアンスの法則
同じ人や物などに繰り返し触れることで、好意や親しみを持ちやすくなることを『ザイアンスの法則』と言います。人は、初対面の相手には苦情を言いやすいですが、顔なじみや親しみを感じている相手には強く出られないもの。普段からお客様に対して笑顔で挨拶したり、アイコンタクトを取ったりすることで、クレームの抑止につながる可能性が高まります。
2.返報性の法則
人から受けた好意に対して、自分も好意を返したいと感じる『返報性の法則』も、クレーム対応で利用できる心理効果です。例えば、クレームが起きそうな場面を察知した際、あらかじめ謝罪の言葉を先に伝えてしまいましょう。そうやってこちらから好意を示すことにより、相手側に「苦情を言うのは控えよう」という意識を持たせることができます。
3.初頭効果
『初頭効果』は、はじめに提示された情報が強く印象に残る心理現象のこと。つまり、第一印象で好印象を与えることができれば、相手から不要な敵意を向けられることはありません。表情、身だしなみ、言葉遣いなど、「感じの良さ」は最大のクレーム防止策。接客の基本にして非常に重要なポイントなので、しっかりと押さえておきましょう。
4.新近効果
初頭効果と反対に、最後に提示された情報が最初に提示された情報よりも強く印象に残るのが『新近効果』。いわゆる「終わり良ければすべて良し」の状態です。たとえクレームを受けたとしても、しっかりと手厚く対応すれば、お客様の印象をポジティブなものに上書きすることが可能。先出の初頭効果と合わせて取り入れると、より効果的なテクニックです。
普段のちょっとした心掛けが、クレーム抑止につながる
このほか、1つのクレームを解決すれば、それに関連する些細なクレームも同時に抑止できるという『ハインリッヒの法則』や、お客様が納得する形でクレームを解消できれば、顧客満足度が上がって他のクレームを防げるという『グットマンの法則』などもあります。いずれも、1つのクレームをいかに適切に対処するかがカギになっているので、日頃の真摯な対応こそが、クレームを未然に防ぐ最も効果的な方法なのかもしれません。
クレームを一切無くすのは難しいですが、普段のちょっとした心掛けでも、多くのクレームの種を摘むことができます。お客様に与える印象や心理効果なども巧みに計算しつつ、さまざまな角度からクレームの未然防止に取り組んでみてください。
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