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悪質クレーマーから従業員を守る方法2022年1月24日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、インターネット時代における「悪質クレーマーから従業員を守る方法」です。

近年急増している、従業員への嫌がらせ行為

プライバシーを表す人形

接客業やサービス業などの現場において、従業員は日々お客様と直接やり取りを行なっています。もちろん、クレーム対応についても例外ではないでしょう。そうした中、従業員に対する悪質な嫌がらせやつきまとい行為が、近年大きな問題になっています。
 
具体的には、接客の不備などを理由に従業員の氏名をインターネットに書き込んで誹謗中傷する、顔と名前からSNSの個人アカウントを特定し、ダイレクトメールを送りつけるなど。中には、クレームを装って一日に何度も電話をかけてきたり、頻繁に店舗を訪れ執拗に対応を迫ったりする「クレームストーカー」と呼ばれる人たちもいるほどです。
 
このような状況になった場合、従業員個人の判断で対応させるのはあまりに危険です。さらなるトラブルに発展し、従業員に危害が及ぶ可能性もないとは言えません。万が一にもそうしたことにならないよう、企業は雇用主として従業員を守る義務があります。
 
従業員を守るために企業がすべきこと
悪質クレーマーの嫌がらせから、従業員を守る方法としては、以下のようなものがあります。
 

個人情報を晒さない

お客様に安心感を与える、あるいは従業員に責任感を持たせるなどの理由で、フルネームを明記したネームプレートを使用している企業も多いのではないでしょうか。これは、立派な個人情報です。「◯◯店の△△△△さん」などとインターネットに書き込まれたら、すぐさま個人を特定されてしまうでしょう。
 
そうしたトラブルを回避するため、近年はニックネームや通称名を表記する企業や、ネームプレートそのものを使用しない企業なども増えています。
 

SNS利用のガイドラインを作成する

従業員の中には、プライベートでSNSを楽しんでいる方もたくさんいるはず。しかし、何気なく投稿した内容から、思いがけないトラブルやクレームに発展する可能性もあります。
 
業務外のSNSの使用について、企業が禁止の命令をすることはできません。そのため、対処法としては、SNSの利用に関するガイドラインを作成するのが有効です。「企業名を書き込まない」「モラルを欠く投稿はしない」など細かく定義し、社員教育の徹底を図りましょう。
 

社内規定で対応をルール化する

お客様の中には、特定の従業員につきまとったり、繰り返し食事に誘ったりといった行為に及ぶ人もいます。しかしながら、クレームに発展することを恐れる従業員は、個人の判断でNOと言うこともできず、対処に困ることがあるかもしれません。
 
そうしたときに従業員が迷わないよう、予め社内規定を設けておくと良いでしょう。「プライベートな誘いは断る」「いかなる個人情報の提供も禁止する」など、会社としての明確なルールを決めておけば、従業員も安心して対応ができます。
 

従業員が安心して働ける職場づくりを

インターネットが普及し、SNSの活用が広く一般的になった今の時代。従業員の身の安全を守るには、これまで以上に注意が必要です。場合よっては、従来の常識が通用しないこともあるかもしれません。だからこそ、危機管理に対する意識を常にアップデートし、時代に応じた対応が求められているのです。
 
クレーム対応のみならず、お客様からの嫌がらせ行為は、現場の担当者にとって大きな負担です。従業員が安心して働ける職場づくりは、企業側の義務。リスクマネジメントの観点でも、あらゆる危険を想定した十分な対策を講じましょう。

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