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クレーム対応スタッフの離職を防ぐ方法2023年10月2日
新人スタッフの約半数が1年内に離職している
一般的にクレーム対応は、離職率の高い仕事だと言われています。コールセンタージャパンの調査によると、入社1年以内のスタッフ離職率について、「50%以上」と回答しているコールセンターは40.5%。全体のおよそ1/2を占めています(※1)。クレーム対応の現場における重要課題の一つと言っても過言ではないでしょう。
離職の理由はさまざまですが、他の仕事と比べて特徴的なのは、「苦情対応によるストレスが大きい」ということでしょう。クレームの中には理不尽なものも多く、場合によっては一方的に不満や怒りをぶつけられたり、大きな声で怒鳴られたりすることもあります。そうしたことが積もり積もって精神的な負担となり、心が折れやすいのです。また、業務が幅広く「覚えることが多すぎる」、業務負荷に対して「給与・待遇が低い」といった理由もよく聞きます。
離職率が高いと、慢性的な人手不足はもちろん、ノウハウの蓄積も難しくなります。また、新人スタッフの育成が追いつかないことから品質が維持できず、顧客満足の低下につながりかねません。そうならないためにも企業は、スタッフの離職問題と真剣に向き合う必要があります。
スタッフの離職率を下げる3つの取り組み
クレーム対応スタッフの離職を防ぐ方法として、以下のような取り組みが有効です。
充実した研修プログラムの整備
教育が不十分の状態でクレーム対応にあたるのは、スタッフにとって大きな負担です。そのため、言葉遣いや話し方、マナー指導といった事前研修はしっかり行いましょう。またマニュアルの作成、ロープレ研修の実施、教育担当の配置など、スタッフが自信を持って業務に取り組めるよう十分に準備することが大切です。その他、フォローアップ研修を定期的に実施し、事例の共有や疑問の解消を図るのもおすすめです。
メンタル面のサポート
精神的に疲弊しやすいクレーム対応業務は、メンタル面でのサポートが欠かせません。定期的に面談を実施し、不安や悩みにしっかり耳を傾けましょう。日頃溜め込んでいる思いを吐き出す場を設けることで、ストレスを軽減させることができますよ。また1対1で向き合うことにより、スタッフのちょっとした変化や不調に気づくこともできます。重要なサインを見逃さないためにも、密なコミュニケーションが大切です。
業務負担・評価制度の見直し
労働や精神的な負担に対して給与が見合っていなければ、離職してしまうのは当然です。あまりに離職が多い場合は、現場の業務負担を見直しましょう。残業が多い、休みが取れないどの問題があれば、速やかに改善すべきす。また、適切な評価制度を設けることも大事。目標設定や業務改善提案、顧客評価など、さまざまな角度から相対的に判断し、昇給・昇格などでスタッフに還元することで、モチベーションアップにつながります。
特殊な環境に配慮した体制づくりを
近年は、ITを導入して現場の負担を削減している企業も増えつつあります。FAQの充実やチャットボットの導入で慢性的な人手不足をカバー。業務の効率化を図ることによって、スタッフの負担軽減を実現しています。離職によってかかる採用コストや教育コストを考えても、メリットは大きいのではないでしょうか。
とはいえクレーム対応は、まだまだマンパワーで支えられている労働集約型の仕事。スタッフ個人のスキル・経験値がサービスの品質に直結します。だからこそ、少しでも長く活躍してもらえるよう、特殊な環境による精神的・肉体的ストレスに配慮した体制づくりを心がけましょう。
(*1)出典:コールセンタージャパン編集部『月刊 コールセンタージャパン 2019年1月号』, 株式会社リックテレコム, 2018年12月, 特集企画
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