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Case15:自己顕示欲を満たしたいがためのクレームにはどう対処すべきか?2022年6月20日
今回ご紹介するのは、当相談室の室長である四谷信司(58)が自ら担当した【レストランにおける自己顕示欲クレーム】トラブル発生編です。
とりとめのないクレームの連続、そもそもの要求が迷子に
こんにちは、四谷です。
今回ご紹介するのは、住宅地に佇むカジュアルなフレンチレストラン、ビストロ・ドゥ・パラディで起こった事例です。対応したのは、アルバイトの高見駿さん(23)。いつもどおり接客にあたっていたのですが、お客様から注文されたワインがたまたま在庫を切らしていたためにお詫びをしたところ、そこからありとあらゆる理不尽なクレームを浴びせられる事態に発展してしまったのだとか。
「いつも頼んでいるワインの在庫を切らすなんて、レストランとして失格だぞ!」
そう言って憤るのは、この店の常連客である中川雄二郎さん(62)。これまで何度かビストロ・ドゥ・パラディを訪れたことがあるという、外食好きの男性です。店舗側の認識では特別顔見知りというわけではないそうですが、ご本人は常連という意識があり、同店の対応に一家言あったのでしょう。恐縮する高見さんを相手に、自分の思いを一方的にぶつけてきたのだそうです。
私がいつも頼んでいるワインの在庫を切らすなんて、レストランとして失格だぞ!
それは大変失礼いたしました。本日たくさんのご注文をいただきまして……。
それに、いつか言おうと思っていたけど床が汚れているな。毎日ちゃんと掃除しているのか?客として不愉快だ。
(ワインの話じゃなかったっけ?何に謝罪すればいいんだろう?)
えっと、それはさすがにどうにも……。
・・・・・・(以下、クレームが延々と続く)・・・・・・
止まらない中川さんのクレーム。思いのたけを吐き出すあまり、発端となったワインの在庫切れの件はどこかへ行ってしまったようですね。出口が見えない話に、アルバイトの高見さんも途中から困惑の色を隠せず、思わず口を挟んだところ火に油を注ぐことになってしまいました。
確かに途中で口を挟んだのは良くなかったとはいえ、話が進むに従ってクレームの内容が紆余曲折し、結局のところ何にお怒りなのか、そもそもの要求が何なのか迷子になってしまっては、謝罪しようにもできません。こうした場合の正しい対処法は何だと思いますか?一緒に考えていきましょう。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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