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Case3:飲食店は「いつもの」でオーダーが通るように努力すべきなのか?2020年8月31日

お客様を相手にした商売にカスタマーサービスは必要不可欠。この連載では顧客対応に関する“アレコレ”を「カスタマーサービスのお悩み相談室」の個性豊かな面々が解説していきます。

今回ご紹介するのは、いつも穏やかな笑顔で事案を解決へと導く増山利伸(55)が担当した【飲食店における過剰要求クレーム】トラブル発生編です。

突然、20年来の常連客がクレーマーになった理由とは?

増山利伸(55歳)

こんにちは、増山です。

今回私がお話する事例は、飲食店で起きた過剰要求クレームです。一見すると無茶な要求に思えます。実はこういった要求を対応するかどうかは店側のサービス提供の姿勢によります。お客様がお店を選ぶように、お店もお客様を選べます。ではさっそく本題へ。日の出食堂の店長・坂本学さん(43)は、新人スタッフの糸井玲奈さん(22)からお客様が怒っていて収拾がつかないと連絡を受けたそうです。事情を聞くと、「いつもの」と注文されたがなんのことかわからず、聞き返したらクレームになってしまったとのこと。

20年以上通ってるんだから「いつもの!」と言ったら「いつもの!」だよ

とお怒りなのは宮本映司さん(71)。もう20年以上通っている顔なじみの常連客でした。オーダーを取ったのが店長の坂本さん(43)であれば「いつもの!」がサバ味噌定食であることが分かり、クレームになることはなかったでしょう。しかしこの日、接客にあたったのは新人の糸井さん(22)でした。


itoi
糸井玲奈

ご注文をお伺いたします。

miyamoto
宮本映司

いつもの!

itoi
糸井玲奈

えっーと、いつものと言いますと…

miyamoto
宮本映司

いつものと言ったらわかるだろ。いつもはこれで注文できるのになんだよ。

itoi
糸井玲奈

いつものではわかりかねますので、メニュー名でご注文いただけますか?

・・・・・・(同じようなやり取りを何度か繰り返す)・・・・・・

 

miyamoto
宮本映司

もういい、店長を呼べ! お前じゃ、話にならん。


まず気になるのは、初動の段階で糸井さん(22)がお詫びやクッション用語を使えていない点です。もし使えていたら結果は違ったかもしれません。チェーン店の飲食店で「いつもの」と注文する人が珍しいとはいえ、丁寧さを欠いた対応では事態を悪化してしまうため、気を配りたいものです。「申し訳ありませんが…」「恐れ入りますが…」などの、クッション用語を用いるだけで、受け手の印象はだいぶ変わります。

本題の「いつもの」でオーダーを通すかどうかですが、これまで店長の坂本さん(43)とシフトリーダーは、お客様の宮本さん(71)と顔なじみだったため、いつものでオーダーを受けていたそうです。しかし日の出食堂はチェーン店のため、従業員の交代や糸井さん(22)のような新人の入店もあり、いつでもご要望にお応えできるとは限りません。このような状況では、どう対処するのがベストなのでしょうか?
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を元に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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