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Case5:個人的なお願いや誘いはきっぱりとお断りして問題なし2020年10月19日
今回ご紹介するのは、当相談室の室長である四谷信司(58)が自ら担当した【販売業における個人的な依頼クレーム】模範対応編です。
トラブル回避のために証拠になりうる記録を残す
こんにちは、当相談室の室長を務める四谷です。
前回に引き続き、大型ホームセンターのクラフトワークスで起きた反社(=反社会的勢力)とおぼしき常連客の対応事例を解説します。まず大前提として、個人的なお誘いや依頼はお断りして、なんら問題ありません。また相手が反社関係者と疑われる場合は、事前に警察にその旨を伝え、来店トラブルが発生した場合は駆けつけてもらえるよう依頼し、相談記録を残しておくのがポイントです。
クレーム内容
- ◆個人的なコンサートチケットの購入を要求
今回はケースは佐々木未来(27)さんひとりで対応せず、できれば男性店員が近くで立ち会うことが望ましいです。店長の波多野壮太(41)さんが同じレジでサポートとして立ち合いました。その際に、警察へ報告できるよう「入れ墨」や「断指」等が見えたかをさりげなく確認したとのこと。
警察への事前相談により、断った事実の記録が、警察介入時の証拠となるため、防犯カメラのある店頭で対応するのがベストともアドバイスを受けたそうです。もし防犯カメラで音声録音できない場合には、ICレコーダー等で別に音声録音を行うという方法があります。
・・・・・・(防犯カメラにより録画・録音を実施)・・・・・・
この前のチケット、どう? 来れそう?
大変恐れ入りますが、コンサートには興味がありませんのでご遠慮させていただきます。先日お誘いいただいたときにお伝えするべきだったのですが、申し訳ございません。
(…もしもの備えとして男性店員も立ち会う…)
そうか、そうか。いや、へんなもの誘って悪かったな。
反社が疑われる際の対応のポイントをまとめると次の3つです。
対応のポイント
- ◆警察に相談し、相談記録を残すこと
- ◆対応は1人で行わない(できれば男性が立ち会うこと)
- ◆防犯カメラ(映像・音声)のある店頭で対応する
柔らかい言い回しでありながらも、きっぱりお断りしたことで、執拗な反応もなく、すんなり引き下がっていただき、無事に解決したそうです。反社が疑われる際は、まずは警察に相談すること。あらかじめ警察に相談記録を残し、トラブル時は駆け付けていただけるとの返答を得ていることが何よりの安心感につながります。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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