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Case20:業務に支障が出るほどの過剰要求には、毅然とした態度でNOを2023年10月23日
今回ご紹介するのは、メンタルケア心理士の資格も持つ西宮ゆり子(38)が担当した【大手通信販売業における過剰要求クレーム】模範解答編です。
通話中に違和感を感じたら、速やかにスーパーバイザーへバトンタッチ
こんにちは、西宮でございます。
前回に引き続き、大手通信販売「ライフネスト商会」のコールセンターで起こった事例について解説していきましょう。ご相談者の小原美蘭さん(23)は、オペレーター歴5ヶ月の新人さん。商品とは関係ない世間話を延々と続ける、常連客の市浦一夫さん(76)にお悩みでした。
クレーム内容
- ◆オペレーターが自分の話を聞いてくれない。
オペレーターの仕事は、あくまで商品に関する質問や問い合わせにお答えすること。世間話に付き合えというのは、明らかに過剰要求です。「お客様に寄り添う」ことも大切ですが、業務に支障が出てしまっては本末転倒。お断りすべき時には遠回しな言い方ではなく、毅然とした態度で対応することも必要です。
ということで、小原さんとバトンタッチしたスーパーバイザー(SV)の森内利行さん(35)が対応した様子を見てみましょう。
担当代わりました。スーパーバイザーの森内と申します。
さっきの奴は何だ? 人の話をろくに聞かないなんて、どんな教育してるんだ!
ご不快な思いをさせてしまい、たいへん申し訳ございません。商品へのご質問であれば出来る限りお答えさせていただきたいと存じますが、それ以外についてはご容赦いただけませんでしょうか。
人の話を聞くのがお前らの仕事だろう。こっちは何度も通販を使ってやってる客だぞ!
当社の商品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。恐れ入りますが、こちらの電話は商品に関するお問い合わせに限らせていただいております。これ以上は他の業務の支障となりますので、ご了承いただけますと幸いです。
何だよ…もうお前のところで買わないからな!(ガチャ)
・・・・・・(一方的に通話が切られる)・・・・・・
オペレーターに対して過剰要求をする迷惑客は、「サービス事業者」と「顧客」という立場の違いを巧みに利用していると考えられます。「サービス事業者は顧客に対して強く出られない」という心理につけ込み、執拗に圧力をかけるのです。特に今回の場合、ご相談者の小原さんが新人だったことも理由の一つと言えるでしょう。だからこそ、森内さんの毅然とした対応が功を奏しました。
こうした悪質行為を常習的に繰り返すお客様に対しては、入電の時点でSVやマネージャーなどへスムーズにバトンタッチできるよう、エスカレーションの体制を整えておくと安心です。通話中に違和感を覚えたらすぐに身振り手振りで周囲に知らせるなど、事前にアクションを決めておくのも効果的ですよ。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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