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File3-1:スパリゾート施設で「店員の態度が悪い!」と喚く言いがかり客2025年7月28日

どんなお仕事でも、想定外の苦情・クレームがあるものです。その中でも働くみなさんの現場で頭を悩ませるのは、顧客による嫌がらせ行為。この連載では、みなさんから当相談室に寄せられた様々な「カスハラエピソード」を紹介し、顧客からの不当な要求に対する「毅然と」かつ「丁寧な」適切な対応を身に付けていくための対処方法をお伝えしていきます。
 
今回ご紹介するカスハラ事例は、【「顔も性格もブス!」と暴言・脅迫を連発する女性客】トラブル発生編です。

 

M氏(62)

日常的にイライラしている状態。一度話し出すと止まらない性格。                           
      

 
 

投稿者

これは、私の職場で起こった実際の話です。
 
天然温泉や岩盤浴などを利用できるスパリゾートで働いている私。この店舗では、入口の券売機で入館チケットを購入後に、受付でチケットを提示する手順になっています。先日、とあるお客様が入館チケットを購入せずに受付へやって来ました。そこで、女性スタッフが正しい手順を説明したところ、お客様が突然激昂して…。

1

強い口調で人格否定を繰り返す

手順の違いを指摘されたのがムカついたのか、お客様は大声で女性スタッフを罵倒。「態度が生意気」「客を見下している」などと絡み出しました。女性スタッフはすぐに謝罪したものの、「接客態度がなっていない!」と怒鳴るばかりでした。
 
新規のお客様だったため、アメニティなどの説明をした際も「なに?聞こえないわよ!」と威圧的に返答。改めて女性スタッフが大きな声でお伝えすると、「人を馬鹿にしているの!?」とさらに激昂する始末で……。挙げ句の果てには「若いからって調子に乗るな!」「女はしおらしくしていなさい!」など、強い口調で人格否定を繰り返したのです。

2

大きな声で叱責

そこに現れたのは、騒ぎを聞きつけた店舗責任者です。他のお客様のご迷惑になると必死になだめていましたが、お客様は「あの女の写真を撮らせろ!」「訴えてやるから!」とヒートアップ。さらには、「社員の教育がなってない!」「あんな奴に受付をやらせるな!」など、店舗責任者にまで暴言を浴びせ始めたのです。
 
その間も女性スタッフは丁重に謝罪し続けていましたが、「気持ちが感じられない、顏も性格もブスね!」と、大きな声で叱責。女性スタッフはすっかり萎縮してしまい、その場で震えていました。

3

無関係の愚痴を語る

店舗責任者は、暴言を止めるよう丁寧に言葉を掛けつつ、事務所にお連れしてお客様の傾聴に徹しました。すると今度は、「こっちは毎日大変なの」「あのスタッフは調子に乗っている。私だって若い頃は綺麗だったんだから……」と、クレームとは無関係の愚痴も始まり……。それでも辛抱強く耳を傾けていると、ひとしきり話してスッキリしたのか、お客様は機嫌を直したようで、その後はサウナを楽しみ、おとなしく帰っていきました。
 
お客様の退店後、店舗責任者は改めてトラブルの発生状況について現場にヒアリング。女性スタッフに落ち度がなかったことを確認してこの件は一件落着。そう思っていたのですが…。

4

捨て台詞を残して切電

なんと後日、このお客様から改めて当施設に入電があったのです。電話を受けた店舗責任者は、「社内で調査をした結果、当該スタッフの対応が特別に悪かったとは認識しておりません」と説明。その上で、「ご不快な思いをされたことについては、社として深くお詫び申し上げます。当該スタッフも非常に反省しております」と伝えました。
 
それでもお客様は納得せず、「今すぐ受付を辞めさせなさいよ。できないなら異動させるべきよ!」と主張。店舗責任者は「そのようなご要望には応じることができかねます。これ以上の対応を求めるようであれば、弊社施設のご利用をお控えいただくようお願いいたします」と毅然とした態度でお断わりしました。「……フン!また様子を見に行きますからね!」と捨て台詞を残して電話は切れましたが、以降、再び現れることはありませんでした。

 
 
女性スタッフに日頃のストレス発散とも言える支離滅裂な主張を繰り返す迷惑客。店舗責任者が見事に対処しましたね。次回は、この事例について当相談室の西宮ゆり子(38)が詳しく解説します。
 

※この記事はカスタマーサービスの対応例を学ぶために事実を基に構成したフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

 

弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属

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