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クレーム対応に強い組織の作り方2024年5月20日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、職場の雰囲気づくりが重要な「クレーム対応に強い組織の作り方」です。

チームのパフォーマンスが向上する「心理的安全性」

クレームが発生した際、「情報共有が適切になされなかった」「それによって対応が遅れ、問題が大きくなってしまった」という経験はないでしょうか。とりわけ、従業員側のミスが原因である場合、このような事象が起こりがちです。どうしてスムーズに情報共有されないのか。その理由は、職場における従業員の『心理的安全性(サイコロジカル・セーフティ)』が低いからかもしれません。
 
心理的安全性とは、従業員が常に安心して自由に発言できる環境が整っている状態のこと。米Google社が2015年に「心理的安全性は、成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことがきっかけで注目を集めました。心理的安全性が高い職場では、万が一ミスをしてしまっても、それを理由に非難されることはないという確信のもと、前向きに仕事に取り組むことができます。そのため、必要な情報共有が速やかに行われ、結果的にパフォーマンスも向上するというわけです。
 
また、心理的安全性が高いと仕事に対するやる気や責任感がアップするほか、定着率が上がるなどのメリットがあるとも言われています。スタッフ一人ひとりの心理的安全性を高めるには、どうすればいいのでしょうか?
 
心理的安全性を高める効果的な方法
従業員の心理的安全性を高めるには、以下のような方法が効果的です。
 

定期的にミーティングや面談(1on1)を実施する

普段から「会話すること」のハードルを下げる雰囲気づくりが大切です。そのため、定期的にミーティングを実施し、年齢や役職を問わず自由に意見を出し合える環境を用意しましょう。特に1on1での面談は、従業員の本音を引き出せるだけでなく「私はあなたの味方ですよ」と意思表示する場としても有効です。
 

「完璧な報告でなくても構わない」ことを伝える

多くのスタッフはトラブルが起きた際、問題発生から解決まできちんと説明しなければならないと考えがちです。しかし、報告をまとめている間にも時間は過ぎていき、対応が後手に回ってしまいます。「完璧でなくてもいいから、まずは報告を」と、普段から伝えておくことが大切です。
 

問題が起きてもポジティブに受け止める

クレームをマイナスに捉える環境では、「報告すると非難されるかもしれない」という心理が働いてしまいます。「どうして問題が起きたのか」を考えることも大切ですが、「どうやって問題を解決するか」にフォーカスし、チーム全体でポジティブに受け止める姿勢を示すことが重要。そうすることでスタッフは、安心して報告することができます。
 

クレーム対応は、個人プレーではなくチームプレー

心理的安全性は、「分からないことやできないことがあっても、怒られたり責められたりしない」という信頼関係がベースになっています。これは、単なる仲良しグループや馴れ合いの関係性によってもたらされるものでは決してありません。お互いに対等な立場で向き合い、時にはディスカッションを重ねながら、より良い方向に向かっていく“組織力”が大切なのです。
 
クレーム対応は、個人プレーではなくチームプレーです。スタッフが安心して業務に取り組めるよう、一人ひとりの心理的安全性を高めながら、クレーム対応に強い組織づくりを意識してみてはいかがでしょうか。
 

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