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File1-2:Tシャツの折りジワを発端に、エスカレートしていく過剰な要求2024年9月9日
今回ご紹介するカスハラ事例は、【「SNSで拡散するぞ!」と迫る自称インフルエンサー】情報取集編です。
カスタマ―ハラスメントかどうかの判断は慎重に
こんにちは、カスタマーサービスのお悩み相談室の青山健一(47)です。今回のケースについて、改めて状況を整理してみましょう。
お客様からの苦情・クレームが悪質なカスタマ―ハラスメントに該当するかどうかの判断には、顧客からの要求内容が妥当性に欠けている下記の場合にあてはまるかどうかの確認が重要となります。
- 企業の提供する商品やサービスに瑕疵・過失が認められない場合
- お客様からの要求の内容が企業の提供する商品やサービスの内容とは関係がない場合
お客様からの苦情・クレームの根底にあるのは、企業に対する期待であり、商品やサービスの改善に向けた希望や要望が含まれています。そのため、話し合いを通じて問題の解決を図ることが可能であり、お互いに建設的な関係であるはずです。しかし、カスハラ事案においては、落ち着いた話し合いはもちろんのこと、建設的な関係の構築を望めないことが多い傾向にあります。
A氏(40)の言動・行動
- 折りジワのついたTシャツの商品交換のみでの対応では納得せず、商品自体の値引きや店舗に出向いた際の交通費を請求。
- カスタマ―センターに電話をかけた際の電話代を支払え!など、要求がエスカレート。
- 「馬鹿野郎!無能だ!」など発言し、「暴言をやめてほしい」と伝えても、やめなかった。
- 他社にも同様のクレームを繰り返していた。
- 自称インフルエンサーである自分の立場を利用して「どうなってもいいんだな・・・」と、報復をにおわす発言があった。
またA氏は、金品等の不当な利益の取得を目的とする悪質クレーマーの傾向もみられます。
②特権思考タイプ
虚偽の申告等によって金品やサービスなどの不当な利益を得ようとするタイプ
このタイプに分類されるクレーマー
・常習的悪質型
・自分勝手強要型
まずはお客様対応中に、暴言や個人攻撃を受けるようなことがあった場合、「おやめください」と意思表明をすることが重要です。このケースのように商品の交換の解決策をご提案し、何度説明しても執拗に要求を通そうとするお客様に対してはできない理由を明確にして「できません」と毅然とした対応を行うことも必要です。
お客様がご不快な思いをなさったことに対しては謝罪やお詫びをしますが、それ以外のお申し出に対しては、企業として一貫性のある対応が必要不可欠となります。
カスハラと考えられる迷惑行為や言動から適切な対応を判断!
迷惑行為の種類
③「暴言型」
侮辱的な発言や差別・人格否定・名誉毀損につながる発言を大声で怒鳴りちらすカスハラのこと
⑤「威嚇・脅迫型」
従業員に対して命の危険を感じるような不安や、恐怖を与えるような言動をするカスハラのこと
具体的な言動
威嚇・暴言に該当する言動
- ・大声で怒鳴りながら言葉の暴力を振るった。
- ・「馬鹿野郎!無能だ!」など、屈辱的な発言をした。
- ・ブランドイメージを下げるような脅しをかける発言がある
威圧・脅迫に該当する言動
- ・「自分はインフルエンサーで、SNSでこの件を拡散しても良いのか?」と商品の値引きや、交通費、電話代など不当な金額を要求した
判断基準(目安)
- ・対応者にとって傷付けられるような発言がある
- ・限度を超えるような表現や人格の否定がある
- ・受け手がプレッシャーを感じる表現がある
対応トーク例
- 「A様、そのようなお申し出は恐怖を覚えてしまいます、とても怖いのでおやめください。」
- 「いまA様は馬鹿野郎!と人格を否定するようなお言葉をおっしゃいましたが、そのようなことをおっしゃるのであれば、これ以上の暴言に対する対応はできません。」
- 「お客様のされることを私どもでお止めすることはできません。ただし、事実に反する書き込みをされた場合は、法的対応内容せざるを得ないことについてはお伝えさせていただきます。」
……など
【特権思考タイプ】には、常習性の高いクレーマーが一定数います。今回の事例でも「他社では半額にしてくれた」という発言から、同様の手口を繰り返していることがわかりますね。また「馬鹿野郎!」「SNSで拡散しても良いのか?」などの発言は、【暴言型】【威嚇・脅迫型】の大きな特徴です。
次回は、【特権思考タイプ×暴言型×威嚇・脅迫型 】の効果的な対処方法についてご紹介します。
弁護士 藤本慎司 監修|東京弁護士会所属
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選任担当者がおらず十分な対応ができていない
難易度の高いクレームが増えてきて困っている
スタッフによるスキル差が目立ちはじめた
……など
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