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現代の悪質クレーマーの心理2022年12月19日

どのようなビジネスであっても、お客様から苦情やクレームをいただいてしまうことがあります。この連載「苦情・クレーム対応ガイドブック」では、そんなもしもの事態に備えてその対応方法を解説していきます。今回のテーマは、時代とともに複雑化を極める「現代の悪質クレーマーの心理」です。

なにかと問題化しやすい現代のクレーム

集団心理

「炎上」「批判」「謝罪」……インターネットやSNSの普及とともに、目にする機会が増えたこれらの言葉。さまざまなツールを使って消費者が気軽に声を上げられる環境が整いつつある今、これまで以上にクレームが大事(おおごと)になりやすい傾向にあります。
 
人間心理によるクレームでも説明したように、クレームの裏側には消費者のさまざまな心理が働いています。そして、その心理は近年複雑化を極めており、コンプライアンスによる規制の強化や新型コロナウイルスの流行などと相まって、従来とは異なるかたちのクレームとして表面化。多くのクレーム対応現場でも、対応に苦慮しているのではないでしょうか。
 
消費者の心理をいかに把握するかが、クレーム対応の重要なポイント。この記事を通じて、現代の悪質クレーマーが抱える複雑な心理状況について理解を深めていきましょう。
 
現代の悪質クレーマーが抱えるさまざまな心理
クレーマー心理の中でも、近年特に顕著なものとしては、以下のようなものがあります。
 

処罰感情

何かしらの間違いを犯した相手に対して、罰や制裁を強く希望する心理のこと。自分は直接被害を受けていないにもかかわらず、インターネットに誹謗中傷を書き込んだり電話やメールでクレームを送りつけたりします。極端な例になると、謝罪をしてもなお受け入れず、営業停止にまで追い込むケースもあります。
 

正義中毒

自分の考えに反する他人の言動に対して、過剰に攻撃することを“当然の正義”だと錯覚している状態のこと。自分の中にある倫理観や道徳観を一方的に他人に押し付け、制裁を与えることで快感を得ています。特に近年は、同じような主義主張を持つ人同士でつながりやすいSNSの普及が、正義中毒を加速させる傾向にあります。
 

スパイト行動

「自分だけ損をするのが嫌」という心理から、自己犠牲を払ってでも相手に得をさせないよう足を引っ張ること。自分と同じ行動を周囲にも強いる行動を指します。例えば、SNSなどで不買運動を起こして多くの人に賛同を呼びかけるのも、スパイト行動に該当します。
 

承認欲求

他者から褒められたい、認めてもらいたいという、人が持つ基本的感情のひとつ。マズローが提唱する「欲求5段階説」の下から4番目の欲求に位置づけられています。これが行き過ぎると、他者より優位に立ちたい、特別扱いされたいという理由からお店に対して無理難題な要求をしてくるケースに発展します。
 

クレーマー心理を把握し、早期解決の糸口に役立てよう

悪質クレーマーの性質として共通するのは、プライドが高く承認欲求が人一倍強いこと。特に近年は、SNSなどで「いいね」の数が多いほど多くの人から賛同を得た気分になりがち。その結果、持論に対する正当化が加速し、極端な心理状態に陥りやすくなるのです。そういう意味でも現代のクレーム対応は、これまで以上に難しい対応が求められているといえるでしょう。
 
従来はある程度許容されていたちょっとしたミスや間違いでも、大きな問題に発展する可能性を秘めているのが、現代のクレーム。こうした傾向にあるのも、何かとストレスの多い今の時代ならではかもしれません。だからこそ、人間心理を深く理解することが大事。クレームの裏にあるさまざまな心理パターンをあらかじめ把握しておくことで、早期解決の糸口になるかもしれませんよ。

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